1試合目はブラックのユニフォームで渋くバッティング(その1)

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 今年3月で68歳となった舘ひろし主演の映画『終わった人』が、6月9日に公開されるや早くも3億円に迫る興行収入をあげている(6月17日時点)。

【写真多数】柴田恭平の華麗すぎるグラブさばきなど

「本作は定年後の人生をどう生きるかを描いたコメディー。『あぶない刑事』シリーズ(日本テレビ系)のプロデューサーが『あぶ刑事』を定年退職した舘さんにと企画し、舘さんも“彼の頼みなら”とダンディーなイメージを一新する今作に挑んでいます」(芸能プロ関係者)

 '16年に『さらば あぶない刑事』で、シリーズが完結。作中では、舘ひろし演じる“タカ”と柴田恭兵演じる“ユージ”も定年退職を迎えた。

「いつまでも渋くカッコいい印象の舘さんは『あぶ刑事』スタッフたちから“ハズキルーペ”と呼ばれ、からかわれるほどです。今回の“ダサい高齢者”役は新境地。不安もあったそうですが、柴田さんにコメディーの演技や役作りについて教えてもらったおかげでやり遂げられたそうですよ」(同・芸能プロ関係者)

 一方、8月に67歳を迎えるその柴田の姿はスクリーンではなく、意外な場所にあった。明治神宮外苑の一角にある軟式野球場。この草野球場こそ、柴田の現在の活躍の場なのだという。

「最近はとにかく草野球をよくしているようです。以前は映画会社のチームに参加したりしていましたが、最近はもっと本格的なチームでやりたいといって、強豪チームに顔を出しているそうです。マネージャーも柴田さんが野球ばかりしているので、“柴田に仕事をさせてください”と各所に電話したりしていますね(笑)」(柴田の知人)

 6月中旬、早朝8時に記者が球場を訪れると、そこにはハードボイルドな黒いユニフォームに身を包んだ柴田の姿があった。この日、3番セカンドで先発出場した柴田は、まさにチームの主力選手。

華麗なグラブさばきを披露

「柴田さんは全く年齢を感じさせません。走り方なんて“ユージ”そのもので、盗塁もできますし、打球もよく飛ぶんです。セカンドは難しいポジションですが、いつも華麗なグラブさばきを披露していますよ」(草野球関係者)

 かねてより野球を趣味にしていて、'94年にはテレビ番組の企画でアメリカ独立リーグの入団テストに挑戦したこともある。'06年7月に肺がんと診断され摘出手術を受けたが、野球はやめなかった。

「手術からたった半年でプレーに復帰してきましたからね。むしろ病気をきっかけに禁煙したこともあって、以前より動きがよくなった感じさえしました」(同・草野球関係者)

 2年前、柴田は取材に対してこう語ったことも。

「入っているチームの平均年齢が68歳くらいで、僕は若手になりますから、盗塁のサインが出るんです(笑)。相手チーム、若いんですよ。キャッチャーも肩がいい。でも、チームにこたえるために、僕はケガをしないように、全力疾走するんです(笑)」

 しかしこの日、守備ではいいところを見せるも、バッティングでは外野フライ、ファーストフライと2打席凡退。迎えた第3打席、力んでしまったのかあえなく三振し、4打席目には代打を送られてしまう。柴田はベンチに下がった後もチームのヒットには誰よりも喜び終始、笑顔。チームは14対1と大勝した。

「柴田さんは本当に野球が好きなんでしょうね。謙虚に野球に向き合っていて、大スターなのに、雑用だって誰よりも率先してやってくれたりして、恐縮してしまいます」(前出・草野球関係者)

 試合が終わると、オレンジのユニフォームに着替えて、球場のフェンスへと向かった。柴田は、「僕が片づけます」と言い大会の横断幕をはずし、隣接するバッティングセンターへ。

 そこで記者が柴田を直撃すると、落ち着いた様子で取材に応じてくれた。

5つの草野球チームに所属

─月の半分ほどを草野球に費やされているとお聞きしたのですが?

「はい、そうですね」

─現在は、いくつの草野球チームに所属されているのですか?

「5チームくらいですね(笑)」

─『あぶない刑事』が終わって、最近は活躍されているお姿をあまり拝見していない印象ですが、今は草野球を優先されているんですか?

「ふふ(笑)。そうですね、草野球とゴルフですね」

 すると、柴田は質問を続けようとする記者に「また、あとで」と言い残し、バッティングセンターの中へ。10分ほどで打撃練習を終えると、再び取材に応じてくれた。

─今後、俳優として活動する予定はありますか?

「たぶん今年の年末にドラマが入ると思います」

 そう言い残すと、帰宅するのかと思いきや、2試合目に参加するため再びグラウンドへ。ユニフォームを着替えていたのは、1試合目とは違うチームに合流するためだった。若い、若すぎる! 取材のあとバッティングセンターへと向かったのも、2試合目に向けてのものだったのだ!

 そんな即席のバッティング練習が奏功したのか、1打席目にヒットを放った柴田。その後、守備交代となったが、ベンチから試合を見守った。

「この日は極楽とんぼの山本圭壱さんや野村克也さんの息子の克則さんが所属するチームも加盟しているリーグ戦でした。試合中、柴田さんが参加している別の草野球チームの仲間たちが試合を終えて応援に来ていて、柴田さんも手を振って応えていました」(居合わせた草野球関係者)

 2試合目も6対1で勝利した柴田は、近くのレストランへ。昼食のそばを食べ終えると仲間たちに「また来週ね」と挨拶し、笑顔で帰路についたのだった。

 かつてインタビュー取材に「夢は70歳になるまでに3割打ちたい」と語っていた。年齢なんか“関係ないね”。