就活中の“既卒者”は“未内定者”にあらず。新卒で入社した会社を退職したり在職しながら再び就活する若者が増えていることが、マイナビ(東京・千代田、中川信行社長)の実施した「2016 年度マイナビ既卒者の就職活動に関する調査」で分かった。

大学や大学院等を既に卒業している就職活動者(既卒者)を対象に行った調査によると、在学中に就職活動をして内定を得ていた人は37.2%で、前年に比べ4.4ポイント増加した。

 在学中の活動状況を聞くと、「在学中に就職活動をした」既卒者が76.1%、「活動をしなかった」既卒者は23.9%と、前年同様、約4人に1人は在学中に活動を行っていない。

 在学中に就職活動をしたが内定を獲得できなかった人は38.9%にとどまった。

 在学中に内定を獲得していた既卒者が再度就職活動をしている事情は、「一度就職したが、退職もしくは在職しながら再度就職活動を行っている」が37.6%(前年比 9.0ポイント増)で最多。

 次いで「内定先の労働条件(勤務地・就業形態)や福利厚生に不満があったので辞退した」(12.9%)、「志望度の高い業界・企業への夢を捨てられなかった」(10.8%)などが続いた。

 この状況をマイナビは、「広く一般的に“卒業後3年間は新卒扱い”が定着する中、新卒採用の枠組みの中で再度就職活動をする内定獲得者や在職者が増えており、“既卒者=未内定者”というイメージが変化している」と分析している。
 在学中の志望業界は、「官公庁」(16.9%)、「マスコミ(放送・新聞・出版・広告)」(10.0%)、「食品・農林・水産」(7.8%)が多く、人気業界が上位となった。一方、現時点(卒業後)の志望ではそれぞれ3.5ポイント程度減少している。

 在学中より志望する割合が増加しているのは、「その他サービス」(3.3%→8.0%)、「公社・団体」(3.3%→5.9%)、「建設・住宅・インテリア」(2.6%→4.9%)等の業界となった。

 「志望企業が変わったか」という問いに対しては60.7%が変わったと回答している。特に文系男子は66.0%、文系女子は60.9%と高かった。

 卒業後の活動はエントリー数、セミナー参加社数、エントリーシート提出社数などいずれの行動量も現役学生を大幅に下回っている。

 また、内定率は45.0%(前年比1.8ポイント増)と前年を上回っているが、同時期に調査した現役学生の内定率77.5%とは大きな隔たりがあった。

 調査は、9月23日〜10月7日、「マイナビ2017」会員のうち既卒で登録している3万2026人を対象にウェブDMを配信して実施し、356人の有効回答を得た。(文系男子178人、理系男子59人、文系女子94人、理系女子25人)