15年5月、鈴木被告が送った少女像の模型など=(聯合ニュース)

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【ソウル聯合ニュース】旧日本軍の慰安婦被害者を象徴する「少女像」に「竹島は日本固有の領土」と書かれたくいを縛りつけ、被害者らの名誉を毀損(きそん)した罪などで起訴された日本人の男、鈴木信行被告に対する公判が13日、被告不在のままソウル中央地裁で開かれた。地裁は検察側に対し、犯罪人引き渡しの請求を検討するよう求めた。

 地裁は「被告が日本で起訴状と召喚状を適法に受け取ったようだ。だが、出廷しなかったため、裁判が空転している」と指摘。その上で「日本とは犯罪人引き渡し条約が締結されている」として、法務部長官が犯罪人引き渡しを請求することを検討するよう命じた。

 これに対し、検察側は「検討し、書類で提出する」と応じた。

 鈴木被告は2012年6月にソウル・日本大使館前の少女像にくいを縛りつけ、13年2月に起訴された。また、15年5月、慰安婦被害者を支援する福祉施設「ナヌムの家」(京畿道広州市)などに被害者を侮辱する少女像の模型や「竹島は日本固有の領土」と書かれたくいの形のストラップを送り、名誉毀損罪と侮辱罪で16年4月に追起訴された。

 被告は13年9月に開かれた初公判から一度も出廷せず、裁判が進んでいなかった。地裁は被告を出廷させるため逮捕状を発付したこともあるが、日本政府の協力がなく、執行できなかった。

 次回公判は今月27日に行われる。