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金属加工メーカー「トーカロ」(東証1部)で20年以上働く有期雇用の女性(60)が正社員との間の賃金格差は不当だとして2月19日、東京地裁に訴訟を起こした。会社に対し、給与や賞与などの差額として3年分に相当する約480万円を求めている。

訴状によると、女性は1996年12月に嘱託社員として入社し、20年以上にわたって契約を更新している。2002年には横浜市の営業所から千葉県船橋市の工場に転勤。2012年には、営業事務から製造事務に配置転換となり、資材購入を1人で担当している。

他県の工場では、同じ業務に従事する正社員が多く確認できるといい、正社員との間で職務内容や配置変更の範囲は変わらないとして、「同一労働同一賃金」を主張している。

●労契法20条裁判、給与格差では労働者不利になりやすい傾向だが…

「労働契約法20条」は、無期雇用と有期雇用との間に不合理な格差をつけることを禁じている。とはいえ、これまでの裁判例では、正社員は長期のキャリア形成が前提になっているとして、特に給与や賞与面では、一定の格差を認める傾向にある。

今回の訴訟の特徴について、女性の代理人・梅田和尊弁護士は「労契法20条裁判の中で、勤続20年以上はおそらく初めて」と説明。「これまでの判決で示されていた(格差は)『長期勤続のインセンティブ』という考え方は、改めて問われて良い」と述べた。

女性は連合神奈川ユニオンに所属。会社との交渉がうまく行かず提訴に至ったという。

「賞与の支給後、(正社員から)車を買い換えたとか子どもの入学金に消えるという話を聞かされる度、自分に何が足りないのか、自問自答していました。裁判を通じて、非正規で働く人の待遇が少しでも改善したらという気持ちでいます」と語った。

(弁護士ドットコムニュース)