大相撲の立行司・40代式守伊之助によるセクハラ事件。伊之助は辞職願を提出し、出場停止処分後の夏場所明けにも職を辞すことが明らかになりました。そんな伊之助の辞職によって、奇跡の出世を果たす人物がいます。それは現在三役格の行司をつとめる11代・式守勘太夫です。

行司の世界では基本的に年功序列で出世していきます。現在の40代・式守伊之助は平成二十五年の九州場所に立行司へと昇進しました。やがては行司の最高位にあたる木村庄之助へと昇進すると見込まれていました。式守伊之助が木村庄之助へと昇進すると伊之助の席が空き、今度は三役格の行司から誰かが伊之助に昇進する…そのようにして行司は昇進していくわけです。

そんななか、11代・式守勘太夫にはひとつ大きな問題がありました。実は現在の勘太夫は40代・伊之助よりも行司歴は短く、格付けとしても下なのですが、年齢は40代・伊之助よりも1歳上なのです。そのため、40代・伊之助が木村庄之助に昇進し、定年までつとめあげたとした場合、11代・勘太夫はそれを追い抜くことはできず、先に定年退職することになっていたはずなのです。

しかし、40代・伊之助のまさかの不祥事によって「フタ」が外れ、木村庄之助への道が見えてきたのです。

立行司不在のままで場所をつづけることは相撲協会としても避けたいですので、遠からず11代・式守勘太夫は41代・式守伊之助へと昇進することになるのでしょう。そこで立派な土俵裁きを見せれば、晴れて38代・木村庄之助へと昇進が叶うはず。行司の定年は65歳ですので、現在58歳の11代・勘太夫にはまだまだ十分な時間があります。

すでに11代・式守勘太夫は40代・伊之助が差し違えの責によって出場停止となっていた期間などに結びの一番を裁いており、立行司のつとめも経験済。立派に土俵をつとめてくれことでしょう。11代・勘太夫にしてみれば、40代・伊之助の酒癖の悪さに感謝といったところでしょうか。(文=フモフモ編集長 http://blog.livedoor.jp/vitaminw/)