“天才”小野伸二に海外メディア注目 中田英寿らに並ぶ「日本サッカー界のレジェンド」

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名立たる選手たちも魅了した小野の才能 「日本でベストのサッカー選手」

 北海道コンサドーレ札幌の元日本代表MF小野伸二は、Jリーグのほか、オランダ、ドイツ、オーストラリアでもプレーするなど、世界のサッカーを知る数少ない選手だ。

 そんな38歳のMFを、スポーツ専門テレビ局「FOXスポーツ」アジア版が「天才」として特集している。

 小野は1998年に清水商業高から浦和レッズに加入し、すぐさまレギュラーを獲得。同年のフランス・ワールドカップ(W杯)にも出場した。2001年からオランダのフェイエノールトに活躍の場を移し、UEFAカップ(現・UEFAヨーロッパリーグ)のタイトルを手にするなど、華々しい活躍を見せた。その後、浦和に復帰してリーグ優勝、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)優勝を経験し、ドイツのボーフムや地元の清水エスパルス、オーストラリアのウェスタン・シドニー・ワンダラーズを経て、現在は札幌でプレーしている。

「不思議なことに、日本以外では中田英寿、中村俊輔、稲本潤一ほどの知名度はなかった。おそらく、当時の三大リーグ(イタリア、イングランド、スペイン)でプレーしなかったからだろう。中村はスコットランドでプレーしたことが大きかった。だが疑うことのない事実は、小野が彼らに劣るような才能ではなかったことだ」

 記事では、このように言及するとともに、レスター・シティのFW岡崎慎司がクラブの企画で、「香川真司はスペインのイニエスタのよう。岡崎慎司はいつも60分で交代。でも小野伸二は、3人のシンジの中ではレジェンドのシンジ。彼が日本でベストのサッカー選手だと思う」とコメントしたことを紹介。ニースの元オランダ代表MFウェスレイ・スナイデルも、対戦した相手の中で最も素晴らしい選手として小野の名前を挙げたという。

「札幌を長くJ1にいられるチームにしたい」

 小野のキャリアでのハイライトは、前述のUEFAカップ優勝だろう。当時のフェイエノールトには、元デンマーク代表FWヨン・ダール・トマソン、元オランダ代表FWピエール・ファン・ホーイドンクらに加え、まだ18歳だったFWロビン・ファン・ペルシーも所属していた。2002年日韓W杯直前のシーズン、彼らを中盤のコンダクターとして操った小野は、間違いなく優勝チームの中心だった。数カ月後のW杯本大会では、虫垂炎の影響によりトップパフォーマンスを見せられなかったことが悔やまれるところだ。

 小野は同局のインタビューで、「先のことはあまり考えたくない。できるだけ長くプレーしたい」と、まだまだ現役を長く続ける意欲を表明。そして「札幌が長くJ1から遠ざかっていたことも、ここに来た理由の一つ。札幌をJ1に長くいられるチームにしたい」と、今季のJ1残留確定まであと少しのところまで来ているチームの力になることを誓った。

 06年のドイツ大会まで3度のW杯出場経験を誇る小野は、来年のロシア大会に臨むハリルジャパンについて「(W杯は)サッカーで最大の舞台。選手たちが技術とインテリジェンスを最大限に発揮してほしいし、能力を最大限に発揮できれば上手くいくと思う」とエールを送っている。

 記事では改めて、「中田、中村、稲本だけではなく、小野もまた日本サッカー界のレジェンドである」と締めくくっている。9月に38歳となった小野は、柔らかなボールタッチやアッと驚くようなスルーパス、意外性のあるシュートで、まだまだその「天才」ぶりをピッチで見せつけてくれるはずだ。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images