XFN-ASIAによると、中国の中央銀行である中国人民銀行は、人民元のマーケットメーカー制度の導入を延期した。中国の週刊経済紙「経済観察報」が関係筋の話として、同日付で伝えた。同紙によると、中国中銀は、8月末にマーケットメーカー制度を導入する計画だったが、先物外国為替取引や為替レートの気配値、外国為替取引を円滑に進めるためのマーケットメーカーなど導入前に検討すべき課題が多すぎたとしている。

　　中国は7月21日に、11年間続いた人民元のドルペッグ制を撤廃、通貨バスケット制を採用し、人民元を2.1％切り上げたが、変動幅は新レートの上下0.3％のまま。市場関係者の間では、胡錦濤国家主席が来週予定している訪米までに、新たな人民元改革の施策が実施されるとの観測が広がっている。

　　中銀の周小川総裁などの関係者は、１回限りの追加的な人民元切り上げはないと明言しているが、市場では中国が人民元の変動幅を拡大するのではと期待する声も聞かれる。人民元の変動幅が拡大されれば、これまでのように中銀が人民元の変動幅を最小限に抑えようと積極的な介入を続けても、技術的には対ドルの変動幅が大きくなることが可能になる。【了】