CBS MarketWatchによると、29日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で、米国標準油種であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の10月渡しは、大型ハリケーン「カトリーナ」が石油関連施設が集中するメキシコ湾岸に接近し、周辺地域の施設が操業停止に追い込まれたことから、原油や石油製品の供給不安が高まって買われ、オーバーナイトのアジア市場での時間外取引で、一時1バレル=70.80ドルまで上伸して、ザラ場での過去最高値を更新した。しかし、その後、米政府がSPR(国家戦略石油備蓄)の一部放出を検討し始めたことに加え、OPEC(石油輸出国機構)が9月19日に予定されている次期会合で日量50万バレルの増産を検討すると伝えられたことを受け、供給不安が緩和して、売りが優勢となり、結局、前週末比1.07ドル(1.6%)高の1バレル=67.20ドルと過去最高値からはやや値を消した。

  一方、天然ガス先物の9月物は、時間外で一時100万Btu=12.07ドルまで上伸して過去最高値を更新したものの、カトリーナの接近で操業を停止していた主要ガス生産施設が、操業を再開したことから、結局、同1.055ドル(10.8%)高の100万Btu=10.847ドルで引けた。

  ガソリン先物の9月物は、一時、1ガロン=2.16ドルに上伸して過去最高値を更新した後、前週末比13.37セント(6.9%)高の2.06ドルで引けた。暖房油も、一時、1ガロン=1.975ドルに上伸、過去最高値を更新し、結局同7.22セント(3.9%)高の1.9088ドルで引けている。【了】