奇跡呼んだ浦和エース 「少しかわいそう」と川崎DF退場に同情も「中東のレフェリーは…」

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ACL日本人最多ゴール更新の通算18点目となる同点弾を決めた興梠 一発退場の車屋にも言及

 浦和レッズのFW興梠慎三は、13日に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝第2戦で川崎フロンターレに4-1で勝利し、2戦合計5-4と大逆転で4強進出を決めた一戦を終えると、試合中に起きた川崎側の退場劇についてサウジアラビア人ファハド・アルミルダシ主審の判定に「中東のレフェリーは、アレやるから」と気をつけていたことを明かした。

 浦和は前半19分に先制点を許し、1-3で敗れた敵地第1戦のスコアと合わせて1-4という窮地に立たされたが、それを救ったのはACL日本人最多得点記録を更新中のエースだった。同35分、MF矢島慎也の絶妙なスルーパスを受けると「相手のスライディングも気になったし、そこしかないというコースに決められた」と、距離を詰める川崎GKチョン・ソンリョンと入れ替わるようなシュートを決めた。これで大会通算18ゴールと、その記録をさらに更新している。

 そして2分後、興梠が自陣右サイドの低い位置で味方にヘディングでパスを出した際に、川崎DF車屋紳太郎が足の裏を見せて突進。興梠の顔を蹴ってしまい、アルミルダシ主審は迷うことなくレッドカードを提示。これが試合の行方に大きな影響を与えた。

 興梠は「あれがレッドは少しかわいそうかなと思う」としたうえで、「ACLの戦い、特に中東のレフェリーの時はアレやるから。結構すぐにカードが出るので、自分たちも気をつけてやろうとは思っていました」と、そのジャッジの方向性には留意していたと話した。

「2点差くらいならホームで跳ね返せる」

 興梠自身も、グループステージ第3節の上海上港戦で同じアルミルダシ主審から後半アディショナルタイムにレッドカードを提示されている。そうした経験も、このACLを勝ち抜くには大切だと語った。

 浦和はラウンド16の済州ユナイテッド(韓国)戦に続き、第1戦の2点ビハインドを跳ね返しての逆転劇。興梠は「2点差くらいならホームで跳ね返せる。だからこそ、次はアウェーで負けたとしても大差にならないように戻りたい」と、準決勝の上海上港(中国)とのリターンマッチを見据えた。今回も、浦和はホームで第2戦を戦う日程が組まれているため、その強さを生かす舞台は整っている。

 前所属の鹿島アントラーズ、浦和と、毎年のようにACLに出場しているからこその経験は、こういうちょっとしたところでの差となる。レフェリーに対応する術もまた、アジアを勝ち抜く上では必須の条件と言えるのだろう。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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