東大在学中に公認会計士に合格した27歳の女性都議「都の財政はどんぶり勘定!」
2日に投開票が行われた東京都議選2017。下町の墨田区(定数3)で2位にダブルスコア近い差をつけてトップ当選したのは公認会計士の成清梨沙子さん(27)だ。東京大学経済学部に在学中、公認会計士試験をパスした才媛。3月まで4大監査法人のひとつに勤務し、都民ファーストの会の最年少候補として注目を集めた。
「最初のころは街頭演説の声が小さかったと思います。通りすがりの有権者が“その声の出し方じゃ届かないよ”とアドバイスしてくれたり、別の方から“ちゃんと続けていけば絶対みんなに届くから”と励ましていただいたこともある。下町は温かい。ありがたかったです」
公認会計士ならではの都政への切り込みが期待される。すでに都の会計資料を読みこんでおり、気になっている部分がいくつかある。
「都の財務状況はどんぶり勘定が目立っていて、税金に対する意識が甘いと感じました。節約意識が感じられないんです。負債が6兆円ぐらいあり、社会保障関連費がこれから毎年300億〜400億円増えていくといわれています。税金の無駄遣いは徹底的になくしていきます」
原因のひとつに、監査が機能していないことを挙げる。
「都の公会計を企業会計と比べてみても、監査はもっと厳しくしていい。豊洲新市場の地下に盛り土がなかったことについても監査委員の監査は受けていて、それでも見逃してしまっています。有効な監査ができるようになれば自浄作用が働くのではないか」
見積もりの甘さも気にかかっている。
「五輪経費はどんどん増え、豊洲移転費用も同じ。甘い見積もりがまかり通っているのは問題。民間企業は見積もりを大事に作っています。複数のシナリオを用意し、いろんな人の目を通している。これを建てるのにいくらかかるのか。どれくらい利益が見込めるのか。予想の精度にこだわって見積もっているんです」
政治家に転身することに、金融機関に勤める夫(35)は賛成し、全面的に応援してくれている。
もともと、長男(2)の保育園の送り迎えは夫婦で分担してきた。家事でも夫は掃除を担当し、たまに料理を作ってくれることも。
「野菜炒めとか、うどんとか(笑)。おいしいですよ。ありがたくいただいています」
性格は前向きでマイペース。目標を設定し、自分でやると決めたことは、ひたすらやりつづけるという。
結果を出す女性は努力の天才だった。「介護や待機児童の格差も是正する必要があると強く思っています」