台北近郊の山間の街、九份。

「千と千尋の神隠し」の世界を彷彿とさせることで知られるこの街は、もはや台湾旅行中の定番中の定番。

台湾を訪れる日本人が「一度は行ってみたい」と口を揃える大人気スポットです。

そんな九份を訪れるなら、なんといっても夕方から夜にかけての時間帯がおすすめです。赤いランタンに明かりがともる時間帯は、まさに九份のマジックアワー。九份がもっとも九份らしくなる瞬間を、見逃さない手はありません。

九份周辺をハイキングするなど、エリア全体を広く周るなら別ですが、九份のおもな見どころを観光するだけなら、お茶の時間を含めても2〜3時間あれば充分。

台北から九份を日帰りで訪れるなら、台北市内、あるいは十分などの平渓線沿いの街を観光した後、午後3時ごろに九份に到着すれば、九份での観光時間が確保できます。

九份に到着したら、まずは明るいうちにバス停付近の高台からの風景を楽しんで。九份は海に近い山間部なので、天気が良ければ海と島が織りなすダイナミックな景色が堪能できますよ。

次に、九份名物・茶芸館でひとやすみはいかがでしょう。九份には、「九份茶坊」をはじめ、ノスタルジックな雰囲気と素敵な景色が楽しめる茶芸館がいくつかあります。

九份独特の、のんびりとした雰囲気のなかで味わう台湾茶と茶菓子は格別です。

茶芸館で台湾のお茶文化に触れた後は、九份の古い街並みが残る基山街をぶらぶら。

パイナップルケーキのお店や、台湾茶のお店、台湾雑貨のお店など、さまざまなお店が軒を連ねる商店街は熱気満点。ただ見ながら歩くだけでもワクワクする楽しさです。台北市内ではあまり見かけない手ごろな値段の台湾雑貨も豊富に揃うので、おみやげ探しにもおすすめ。気になったお店はどんどんチェックしてみましょう。

日が暮れてくると、みやげ物店の多くは店じまいを始めます。しかし、お楽しみはここから。

九份の象徴ともいえる豎埼路の階段のランタンが夜空を照らし出す光景は、まさに「ザ・九份」とも言うべきノスタルジックな風景。

これを見てこそ、「九份に来た!」という実感と感動が味わえますね。

もう一つ夜の九份で見逃せないのが、集落の夜景。階段を下りて少し脇道にそれると、山の斜面に立つ家々の明かりが暗闇を照らす風景が広がります。

山の明かりはやがて、海の明かりと出会います。

都会の夜景と違って派手さはありませんが、山間の街ならではのしっとりとした情緒漂う風景に心打たれるはず。

昼も美しい九份ですが、夜になるといっそう物語の世界のような非日常感でいっぱいになります。

時間に余裕があれば、九份での宿泊もおすすめ。最近は、おしゃれなB&Bやゲストハウスも増えてきています。九份に泊まれば、朝と夜の観光客の少ない時間帯の九份の景色を満喫できますよ。

「ベタ」と言われようと、やっぱり外せない、やっぱり魅力的な九份。夜の明かりが、あなたを物語の世界へといざないます。

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