時間泥棒ゲームの名作「ソリティア」の生みの親ウェス・チェリーさんはいま「アップル」の仕事をしている
Microsoft Windowsシリーズに搭載され、Windows 95の爆発的ヒットとともに世界中に知られるようになったゲーム「ソリティア」は、Windowsマシンを所有している人なら一度は遊んだことがあるはず。世界で最も有名なゲームの1つといっても差し支えないソリティアを生みだした人物、ウェス・チェリーさん本人が登場するインタビューが公開されています。
Meet the Intern Who Wrote Solitaire for Microsoft - YouTube
この人物がウェス・チェリーさん。インターン生としてMicrosoftに勤務していた1988年に、空き時間を使ってソリティアを開発したそうです。
当時のMicrosoftのインターンは多くの仕事を与えられていたようで、チェリーさんは忙しく働いていた様子。そんな中でソリティアは開発されたそうです。
ソリティアはマウスで画面のトランプカードを動かして、柄と数字をルールに沿って詰むというゲーム。
全てのカードを並べた時に表示されるこの画面が見たくてプレイした人も多いはず。
チェリーさんは、Windowsに入っているゲームの数が少ないことを理由に、ソリティアを作ったと語ります。
90年代は一般家庭にコンピューターが普及しだした時代でした。そのため、Microsoftは「ソリティアはマウスの使い方に慣れてもらうため」と発表していたそうですが、実際には純粋に楽しみとしてゲームを入れていたとのこと。
ソリティアを初めてリリースしたときには、ビル・ゲイツ氏から「ソリティアは難しすぎる」とクレームをつけられたこともあったそうです。
文字どおり多くの人の心をつかんだソリティア。仕事中にもかかわらず、ついついプレイしてしまうこともよくあったはず。チェリーさんは「ソリティアが登場した直後、世界の景気は少し減速したと言っても過言ではないかもしれませんね(笑)」と語っています。
チェリーさんが考えたアイデアの1つが、「ボス・キー」というもの。仕事中にこんな風にソリティアをコッソリ遊んでいたとしても……
特定のキーを叩くだけで、画面に表計算ソフトが表示されるというもの。しかし、あえなくこの案は却下されたそうです。
その後もソリティアはWindowsに搭載され続けてきました。「きっと大金を手にしたんでしょうね?」という問いに対しては……
「いいえ、1セントも受け取っていません」と衝撃の告白。「プログラムをコピーして手元に置いておけば、今ごろは大金持ちでしょうね」
「で、今のお仕事は?」と尋ねられたチェリーさんは「今はアップルで仕事をしています」と驚きの回答。ただし……
アップルはアップルでも、チェリーさんの場合は本当の「リンゴ」でした。
チェリーさんは今、コンピューター業界を離れてシアトルにほど近い場所にあるバション島で、アップルサイダーを生産する企業「Dragon's Head Cider」の事業を行っているそうです。
Home - Dragon's Head Cider