智辯学園vs熊本工
将来に関わる大きなテーマ
熊本工(熊本)vs智辯学園(奈良)
「自分の悪いピッチングが全て出てしまった。甲子園のマウンドは今まで通りのピッチングじゃ通用しない」
熊本工のエース・山口 翔(3年)にとって、初の甲子園はほろ苦いものになった。智辯学園打線に11安打9失点。最後は相手の4番・太田 英毅(3年)に本塁打を献上してしまい、完敗。最速149キロ右腕として今大会注目投手に挙げられた男の春が終わった。
山口のとっての大きな課題はコントロール。秋も与四死球が多い試合がいくつかあった。だが最後の試合となった九州大会準決勝(東海大福岡戦)では無四球ピッチング。試合後には「自信にしたい」と話していた。それでもコントロールを良くするというのは難しい。この日の智辯学園戦でも初回に1番・福元 悠真(3年)を簡単に歩かせてしまった。この走者をきっかけに先制点を与えてしまったのだから、課題が完全に克服されていないのは明らか。
もちろん、山口本人も自覚をしている。「本当の課題であるコントロールを改善して、夏は自分の完成形を披露したい」ベンチから山口のピッチングを見ていた主将の真鍋大樹(3年)は、コントロールの課題に結びつくヒントを探っていた。「変化球に頼っているように感じた。もっと真っすぐを生かすようにしても良いと思い、試合中に話しました」。結果的に試合中に大きく改善されることはなかったが、山口らしいノビのある直球はいくつか見られた。素質の片りんと言えよう。
コントロール。山口の将来に大きく関わってくるテーマだ。
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