金正恩氏、北朝鮮軍に「戦闘動員態勢」を指示
北朝鮮の金正恩党委員長が今月1日、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)に対して「戦闘動員態勢」命じていたことが明らかになった。この日から始まった米韓合同軍事演習「フォールイーグル」に合わせて、軍の警戒態勢を強化し、結束を固めるためのものと思われる。
平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋によると、最高司令官(金正恩氏)がこの命令を下したことで、本隊から離れて訓練を行っていたり、休暇に出ていたりした人員を含めた全員が部隊に戻るよう命じられた。
軍事境界線に近い地域に駐屯し第1梯隊を構成する各軍団に対しては、万端の対応態勢で備えよ、坑道に隠していた大砲、戦車などの装備を陣地に移動させよとの指示も下された。
また、軍事境界線の警備などを担当する前方軍団の民警部隊に対しては、戦闘服の常時着用、部隊長以上の責任幹部の帰宅が禁止された。当直勤務者も、平時より1ランク上の指揮官が勤めるようになっている。
教導隊、労農赤衛隊(民兵組織)に対しては、ニセの砲陣地と模型を制作、配備し、敵の衛星による監視と空からの攻撃を混乱させよとの指示が下された。
一方では、「敵の挑発に決して引き込まれてはならない」ということが強調されていると情報筋は伝えている。
当局がこのように「戦争が起きる」と警戒態勢を強化するのは日常茶飯事だ。しかし、戦争が起きたためしがないので、もはやオオカミ少年扱いだ。
ほとんどの兵士は「また戦争、戦争とうるさいな」とぼやいて、普段と変わりない生活を送っている。また、食べ物を求めて無断で外出する兵士もいるという。