服がスマートシティとやりとりする日
群衆の中に埋もれたくないと考えている人びとのために、英国の研究者が着用者をスマートシティのセンサーにする衣服を開発している。
サウサンプトン大学の科学者が開発しているのは、「都市環境と相互作用するスマートクローズ」だ。
これは人びとを交通状況や大気汚染に応じて移動するセンサーとして活用し、スマートシティのデータ収集を改善するウェアラブル技術である。また、大きな災害や危険な状況が起こったときに住民の避難を助けるものともなる。
「スマートシティで使われているセンサーのほとんどは街灯などに固定されている。バスなどの乗り物に設置する試みもなされてはいるが、我々はそれを人が着用できる形にしようとしている。そうすることで、これまでのセンサーではなし得なかった柔軟かつ移動可能なデータ収集が可能になる」と、サウサンプトン大学電子工学とコンピューターサイエンスコースのスティーブ・ビービーはいう。
スマートクローズのモバイルネットワークは、センサーのよりよい分布を可能にするので、スマートシティにはもってこいである。
スマートシティとスマートクローズの組み合わせについて、業界の専門家たちは将来のウェアラブルの主流はリストガジェットではなく衣類になるだろうとコメントしている。
スマートクローズのROIは?
センサー分布の偏りをなくすため、着用者がある特定の地点を訪れたらスマートシティから見返りを受け取るといったこともありうる。
マーケティングの機会が失われると悩む必要はない。スマートクローズの着用者は、買い物やヘルスケア、エンターテイメントについてのパーソナライズされた情報を受け取ることもできる。
サウサンプトン大学では他に、マイクロプロセッサーや論理回路、マイクロコントロールを繊維に織り込む研究がおこなわれている。これが形になれば、新しいタイプのウェアラブルが登場する。
マイクロ電子機械センサーが組み合わされば、大気汚染レベルに対応するトラッキング機能もスマートクローズに組み込むことが可能になるだろう。
DONAL POWAR
[原文4]