「べっぴんさん」93話「オライオンVS エイス」とは「レナウン VS VAN」である
連続テレビ小説「べっぴんさん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第17週「明日への旅」第93回 1月24日(火)放送より。
脚本:渡辺千穂 演出:安達もじり
潔(高良健吾)と栄輔(松下優也)がついに再会。かたや女性の服の会社オライオン、かたや急先鋒・男性の服の会社エイスの代表として。
先週から引っ張った、悦子(滝裕可里)の再婚相手はやっぱり小山(夙川アトム)だった。
挨拶に来た小山の態度は大急でのパキパキした感じとまるで違い、鎧を脱いだ感じ。
「この世には変わらないことなど滅多にありません」というはな(菅野美穂)の語りが真実であることを物語るようであった。
幸せそうな悦子と小山だが、ここに至るまでには、悦子の連れ子・弥生(白石優愛)との問題があったことを匂わせる。
「わたしがお母さんにやっといいよって言えたの」(弥生)
「何があってもおかあさんは弥生ちゃんのおかあさんやものね」(明美/谷村美月)
「たくさん時間がかかってしまったけど」(悦子)
これらの台詞はすみれ(芳根京子)とさくら(井頭愛海)の問題にも間接的につながっている。
「大きな変化や小さな変化をくぐり抜けて確固たるものになっていくのです」という語りのように、
悦子と弥生と小山はやっと家族になれたのだろう。
潔もこう↑言って、すみれとさくらの対立に頭を悩ます紀夫を励ます。
「変わる」という話を聞いた紀夫がふと栄輔のことを思い出す流れになっていて、潔は「栄輔(エイスケ)」の名前から、最近噂の「エイス」をつなげる。
栄輔のなまえの輔は、VAN の石津謙介の「すけ」からだとして、「栄」は、VANのAからとり、しかも社名を「エース」ではなく「エイス」にするとは遊心がある。
ちなみに、モデルの「VAN」は、同名の雑誌から使用許可を得たもの。「VAN」という言葉には、ヴァン・ゴッホなどの名前に使われているオランダ語の前置詞ヴァンと、英語のヴァンガード(前衛、先駆けというような意味)の意味がある(宇田川悟「VANストーリーズ」より)。陸海軍の先陣という意味もあり、オライオンもモデルのレナウンも軍艦のなまえなので親和性がある。
潔と栄輔が大急で再会する93話のクライマックスは血が騒いだ。
紀夫と飲んでいる場面で、潔は、栄輔の話を聞いたあと店内を見回してニコニコしながら飲む。そのあと、家でまたひとりで酒を飲んでいるときの静かさと合わさって、潔の複雑な心境が読み取れた。
二郎(林遣都)に会いたくてヨーソローを訪ねるすみれ。
ほんとうは、ゆり(蓮佛美沙子)に、↑こう止められていたのに。
ゆりの子供あしらいは手堅い。放課後友人と勉強するというさくらをこうやって阻む。
ゆり「それなら友達をうちにつれてきなさい」
さくら「学校から遠いし」
ゆり「それやったらあかんよ」
「うちにいてる以上どんなにおそくても夕飯までにかえってきなさい」
さくら「・・・」
ゆり「返事は」
さくら「はい」
ゆり「よろし」
頭ごなしに怒らず、あくまで柔らかい口調。このテクはすみれや良子に見習わせたい。
でも結局、さくらはヨーソローに行ってしまうのだが・・・。
紀夫は酒癖の悪い西城(永瀬匡)に相も変わらずいい仕事につかせる。武ちゃん(中島広稀)は気が気ではない。
親子問題を坂東家だけでなく悦子の再婚で描き、さくらと二郎の関係、潔と栄輔の関係なども盛り込んだうえに、キアリスの若い社員たちのことも描き、エピソード満載で、群像劇的に盛り上がって参りました!
(木俣冬)
脚本:渡辺千穂 演出:安達もじり
93話はこんな話
潔(高良健吾)と栄輔(松下優也)がついに再会。かたや女性の服の会社オライオン、かたや急先鋒・男性の服の会社エイスの代表として。
いつも悦子がお世話になってます
先週から引っ張った、悦子(滝裕可里)の再婚相手はやっぱり小山(夙川アトム)だった。
挨拶に来た小山の態度は大急でのパキパキした感じとまるで違い、鎧を脱いだ感じ。
「この世には変わらないことなど滅多にありません」というはな(菅野美穂)の語りが真実であることを物語るようであった。
幸せそうな悦子と小山だが、ここに至るまでには、悦子の連れ子・弥生(白石優愛)との問題があったことを匂わせる。
「わたしがお母さんにやっといいよって言えたの」(弥生)
「何があってもおかあさんは弥生ちゃんのおかあさんやものね」(明美/谷村美月)
「たくさん時間がかかってしまったけど」(悦子)
これらの台詞はすみれ(芳根京子)とさくら(井頭愛海)の問題にも間接的につながっている。
「大きな変化や小さな変化をくぐり抜けて確固たるものになっていくのです」という語りのように、
悦子と弥生と小山はやっと家族になれたのだろう。
どんなこともいつかは変わる
潔もこう↑言って、すみれとさくらの対立に頭を悩ます紀夫を励ます。
「変わる」という話を聞いた紀夫がふと栄輔のことを思い出す流れになっていて、潔は「栄輔(エイスケ)」の名前から、最近噂の「エイス」をつなげる。
栄輔のなまえの輔は、VAN の石津謙介の「すけ」からだとして、「栄」は、VANのAからとり、しかも社名を「エース」ではなく「エイス」にするとは遊心がある。
ちなみに、モデルの「VAN」は、同名の雑誌から使用許可を得たもの。「VAN」という言葉には、ヴァン・ゴッホなどの名前に使われているオランダ語の前置詞ヴァンと、英語のヴァンガード(前衛、先駆けというような意味)の意味がある(宇田川悟「VANストーリーズ」より)。陸海軍の先陣という意味もあり、オライオンもモデルのレナウンも軍艦のなまえなので親和性がある。
潔と栄輔が大急で再会する93話のクライマックスは血が騒いだ。
紀夫と飲んでいる場面で、潔は、栄輔の話を聞いたあと店内を見回してニコニコしながら飲む。そのあと、家でまたひとりで酒を飲んでいるときの静かさと合わさって、潔の複雑な心境が読み取れた。
うちにいてる以上どんなに遅くても夕飯までに帰ってきなさい
二郎(林遣都)に会いたくてヨーソローを訪ねるすみれ。
ほんとうは、ゆり(蓮佛美沙子)に、↑こう止められていたのに。
ゆりの子供あしらいは手堅い。放課後友人と勉強するというさくらをこうやって阻む。
ゆり「それなら友達をうちにつれてきなさい」
さくら「学校から遠いし」
ゆり「それやったらあかんよ」
「うちにいてる以上どんなにおそくても夕飯までにかえってきなさい」
さくら「・・・」
ゆり「返事は」
さくら「はい」
ゆり「よろし」
頭ごなしに怒らず、あくまで柔らかい口調。このテクはすみれや良子に見習わせたい。
でも結局、さくらはヨーソローに行ってしまうのだが・・・。
人生いろいろ
紀夫は酒癖の悪い西城(永瀬匡)に相も変わらずいい仕事につかせる。武ちゃん(中島広稀)は気が気ではない。
親子問題を坂東家だけでなく悦子の再婚で描き、さくらと二郎の関係、潔と栄輔の関係なども盛り込んだうえに、キアリスの若い社員たちのことも描き、エピソード満載で、群像劇的に盛り上がって参りました!
(木俣冬)