遅刻魔プーチンの本当の「思惑」とは
<外国の首脳らとの会談に、プーチンはどうやらわざと遅刻しているようだ。ロシアでは、そのことで交渉を優位に進められると考えられている>(写真:予定よりも約3時間遅れて山口に到着したプーチンは、出迎えの岸田外相と余裕の笑みで握手を交わした)
ロシアのプーチン大統領が今週15日から日本を訪問している。
プーチンは最初の訪問地である山口県へ、予定より遅れて到着した。会談場所となった長門市の温泉旅館には、約3時間も遅れて入った。
ロシア側は、ちょうどシリアで政府軍が反体制派の拠点アレッポを制圧した「シリア情勢」に対応するために、到着が遅れたと言い訳したが、実はプーチンが遅刻するのはよくあることだ。そしてプーチンは、わざと遅刻している可能性がある。
そもそも12月に岸田外相がロシアの首都モスクワを訪問した際にも、プーチンは岸田外相を2時間も待たせている。ただこれは相手が誰だから、ということではないようだ。
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2015年にはバチカンで、ローマ法王との会談に1時間遅れて登場した。実は2013年にローマ法王と会った際にも、50分遅刻している。2003年にイギリスのエリザベス女王は14分待たされ、ウクライナのヤヌコビッチ元大統領は4時間も待たされた。2012年にはドイツのメルケル首相との会談に約4時間遅れ、2014年にも夕食会の途中に姿を見せてメルケルを怒らせたこともある。
一方で待つのは嫌いなようで、2016年8月にトルコのエルドアン大統領がプーチンとの会談に遅刻したときには、プーチンは怒りを隠さなかったと報じられている。
英メディアは、ロシア政府を取材している記者の話から、会談が数時間遅れて始まるのは当たり前で、「プーチンにしてみれば、1時間の遅刻なら、それは尊敬の念の表れだ」と伝えている。ちなみに、プーチンの元妻は、結婚以前のデートにもプーチンは遅刻していたと暴露した。
専門家からは、プーチンが相手より優位に立とうとする目的で会談に遅刻しているという指摘が出ている。そして、どうもこの「戦略」はプーチンに限ったことではないようだ。
山田敏弘(ジャーナリスト)