2016年末を持って解散するSMAP。ファンたちの間では現在、「クリップ運動(仮称)」なるものが広まっている。ここ数日で、ツイッターのアカウント名に「クリップ」の絵文字をつけたものが急増しているのだ。


SMAPメンバーをイメージしたクリップ(Jタウンネット編集部撮影)

きっかけは、2016年11月18日に公開された、SMAPのプロモーションビデオや秘蔵映像などを収録したDVD/Blu-ray『Clip! SMAP! コンプリートシングルス』(12月28日発売)のジャケット。白地にたくさんの黄色いクリップが描かれている。これまでにもSMAPのアルバムジャケットを多く手掛けてきた佐藤可士和氏によるデザインだ。

ジャケットデザインに隠されたメッセージ

ファンの間では、このデザインに隠されたメッセージの読み取りが盛んに行われている。

2002年に発売された、SMAPのミュージッククリップを集めた『Clip! SMAP!』のジャケットにもクリップがデザインされたていたことから、

クリップの数に意味を見出す人が現れた。また、クリップの配置にも注目が集まっている。

Blu-rayには6点目となる赤い点がひとつ隠れており、1996年にSMAPを脱退した森且行さんや、ミッチーこと元SMAPマネージャーの飯島三智さんのことを示しているのではないか、と連想されている。


ジャケットデザインの一部を再現


手のように見える

さらに、クリップには「抵抗運動のシンボル」として使用された歴史的背景がある。テクノロジー情報サイト「ギズモード・ジャパン」の記事によると、

「ナチス占領下のノルウェーでは、抵抗運動のシンボルとしてペーパークリップを身につけていたそうです。クリップの束ねるという機能からノルウェー人の団結を示す秘密の印として、身につけていたんだとか」

とあり、SMAP解散への抵抗と団結というファンの心情とも重なる。

ネットの外でも広がる「クリップ運動」

「クリップ運動」は、ツイッターのアカウント名にクリップをつけるだけに留まらず、新たな展開を見せている。

ジャケットのデザインを再現する人たちや、

見知らぬファン同士で励まし合えるよう、鞄などにクリップをつける人も。

SMAPのメンバーをイメージした青、赤、桃、黄、緑のカラフルなクリップで想いを訴えている。

「クリップ運動」の余波はこんなところまで。

日本郵便が2016年7月23日に発行した、「ふみの日にちなむ郵便切手」の52円郵便切手にクリップが描かれているため、買いに走るファンがいるそうだ。


日本郵便プレスリリースより

この「クリップ」現象に対し、「名前のとこにクリップついてるの何だあれ?」と思う人も多いようだが、それはつまり、ファン以外の目にも留まるほど巨大なムーブメントになっているということではないだろうか。SMAPファンの愛と想いの強さを感じる。