あなたが選ぶのは、ヒトか、アクマか? ミュージカル『Dance with Devils』神永圭佑×山田ジェームス武 インタビュー
Rejet(原案)×Elements Garden(音楽)によるオリジナルストーリーのミュージカルアニメとして、2015年秋にTVアニメが放送された『ダンデビ』こと『Dance with Devils(ダンス ウィズ デビルス)』。2016年3月、同作はミュージカル化され、2次元のキャラクターたちに命を吹き込んだ俳優たちの熱演が大きな話題を呼んだ。そしてこの12月、『Dance with Devils〜D.C.(ダ・カーポ)〜』として帰ってくる。第1弾に引き続き、鉤貫レム役を演じる神永圭佑と、ホランド役として本作に初参加となる山田ジェームス武のふたりに、舞台版ならではの魅力を語ってもらった。

撮影/すずき大すけ ヘアメイク/大坪真人 
取材・文/野口理香子

「まさか、こんなに早く続きが決まるとは」(神永)



――2016年3月に上演された第1弾に続き、第2弾が上演されることが決まりましたね。

神永 みなさんのおかげです。ありがとうございます。第1弾のときは正直、最初から満員御礼!!という感じではなかったんですよね。そこから、舞台を見てくれたお客様の口コミで話が広がっていった。もう一度見たいです!!という声をたくさんいただいたと聞いて本当にうれしかったのですが、まさかこんなに早く第2弾が決まるとは思ってなくて……。

――第1弾を終えたあと、神永さんとしても手応えを感じて、またやりたいと考えていたのでしょうか?

神永 初演のときは、けっこうタイトなスケジュールだったんですよね。そのなかで、本当にみんな死にものぐるいで頑張ったぶん、やりきった!!という思いも正直あったんですよ。だけど、なんだろう……。もう1回、このメンバーでやりたいって気持ちもやっぱりあって。

――なるほど。では、第2弾が決まったと聞いたときは、「よし!やるぞ!」という気持ちが…?

神永 実は、第2弾のお話を伺ったとき、やれるかわからない状態だったんです。でもこの作品に出たいと思っていたので、また、こうしてレム役で出演できることになって、本当にうれしく思いました。今回、一部のキャストが変更になったんですけど、第1弾とも違う新しい作品になるんじゃないかとワクワクしています。


▲神永圭佑


――山田さんは本作から新キャストとして、ホランド役で出演となりました。出演が決まってどう思いましたか?

山田 実は、ダンデビを知らなかったので、どういう作品なんだろうというところからでした。出演が決まってから、第1弾のDVDを観させてもらったんですが、幻想的な世界観ですよね。もともとヴァンパイアとか、そういった世界観が好きなんです。『ダレン・シャン』(吸血鬼を題材としたファンタジー小説)とか読んでたので。個人的に好きなジャンルの作品なので、自分が加われることがうれしかったです。

――DVDを見た感想としては?

山田 ひとりずつのキャラクターが濃い!! 僕が観させていただいたのは、木村 昴さんがホランド役のときの映像だったんですけど、ホランドもまぁ〜濃いですね…! 見ていてすっごく楽しかったです。だからこそ、自分がやるときはまた別のものとして。木村さんや伊崎龍次郎さんが演じられたホランドとはまた違うホランドを見せられたらな、と思っています。

――神永さんが演じるレムは、「四皇學園」生徒会長の3年生。正体はアクマで、アクマの中でも名門のアーロンド家の次期当主という役どころです。

神永 最近、またアニメを見返していたんですけど、やっぱり圧倒的な“皇帝”感がありますよね。だけど、中身はすごくピュア(笑)。可愛いヤツなんです。そういうピュアさは自分にはないものなので、芝居で表現できるのは楽しかったですね。
 
――山田さん演じるホランドは、そんなレムの教育係です。

山田 すごく世話焼きですよね。ちょっと空回り気味というか、気持ちが先行しているようなキャラクターだなと思いました。
神永 レムとホランドの関係は、たとえるなら、タレントとマネージャーですかね。

――なるほど! ホランドはレムのことを思ってるからこそ、厳しく……

神永 レムにとってはそれがうざったく感じるときもあるけど、なんだかんだ信頼している、みたいな。そういう関係っていいですよね。うれしいときは一緒に喜んで、悲しいときは一緒に泣く。なんでも話せるし、いちばん近くにいて安心できる、家族や恋人とは違った意味で必要な存在かな、と思います。

――山田さんは、レムとホランドの関係性についてどう思いますか?

山田 レムはホランドを大事に思ってくれていると思うけど、ホランドはその倍の倍くらいレムのことをずっと大事に思っているんじゃないかな…? 圭佑が言うように、めっちゃ怒鳴ったからって、それで離れてしまうような関係じゃないですよね。なんでも言い合えるのは、信頼しあっているからこそ。いい関係だなって思います。


▲山田ジェームス武


「次の公演で、レムを一度は笑わせたい」(山田)



――初演を振り返っていただいて、あのシーンは楽しかった!など、印象的だったエピソードがあれば教えていただきたいのですが…。

神永 楽しかったシーンは、ありません!!
山田 あははは。
神永 楽しいんですよ、楽しいんですけど!(笑)僕の実際の中身はこんな感じなので、ホントはふざけたいんですけど……。この作品においては、レムは笑わないシーンが続くので。自分自身というよりは、周りのキャストたちがはっちゃけているぶん、それを見ている楽しさがありましたね。

――レムの周りのキャラクターたちはにぎやかですから(笑)。

神永 生徒会の連中もみんな…お前ら、欲しがりすぎだろ!?っていう(笑)。そういう部分は見ていて楽しかったんですけどね。
山田 レムはあんまり笑えないってことなので、次の公演で一回は笑わせてやりたいな、と密かに思ってます。
神永 ちなみに僕はね、前回の公演の本番中、ホントに一度も笑ってません!!
山田 マジか。
神永 これはちょっとした自慢。

――さすがですね…!

山田 そこをなんとか……頑張りたいです(笑)。
神永 やりすぎると、スベる可能性があるから気をつけてね。
山田 オレがスベっているのを見て、圭佑が笑ってしまう可能性も……?
神永 あぁ…。それはオレ、あるかもしれない(笑)。

――では、第1弾で苦戦したシーンはありますか?

神永 やっぱりミニコンサートですかね。他のキャラクターの歌も歌ったりしていたので。ラップとか本当に難しいんですよ。まぁ苦戦しつつも、楽しかったんですけどね。ほかの舞台では、なかなかできない経験だったし、会場が一体となって盛り上がりますし。僕もこの作品の中で唯一、羽が伸ばせるシーンなので(笑)。



――山田さんは、ミュージカル『ヘタリア』(2016年11月10日〜)がミュージカルの舞台としては初になりますよね。歌やダンスへの挑戦という意味では、いかがでしょう?

山田 いやー、僕、ダンス苦手なので。今日の稽古でも、いっぱい時間をいただきました(笑)。

――初演で経験を踏んでいる神永さんから、山田さんにアドバイスがあるとすれば…。

神永 タイトルに「ダンス」と入っている作品ですが、ダンスのシーンが非常に多いわけではないんですよね。ただ、キメのシーンが多いんですよ。ジェイちゃんはもともとモデルさんですし、見せ方っていうのを絶対知っていると思うので、逆に僕がアドバイス欲しいくらいです。

――歌のシーンについてはいかがですか?

神永 それぞれソロ曲を歌うシーンがあるので、そこが見せ場なんですけど……。僕、第1弾で戦いながら歌ってたんですよ。だから息がすごく苦しかったんですよね。それで思ったのが、いちばん大切なのは気持ちだなぁと。とにかく、リツカにレムの思いが伝わるように頑張りました。今回の公演、レムエンドの日には、「あんな思いで歌ってたんだから、そりゃあリツカと結ばれるよな」ってお客さんに納得していただけるように、気持ちを込めたいと思ってます。