独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は13日、国家備蓄しているタングステン鉱の一部を売却すると発表した。タングステン鉱の売却は、1983年の希少金属備蓄制度創設以来、初めて。

 中国での需要増加でタングステンの価格は上昇しており、JOGMECは民間企業からの要請を受けて、タングステン鉱で約120トン、純分重量で約91トンを売却する。6月下旬に民間備蓄参加者を対象に競争入札を行い、7月上旬には一般競争入札をする。

 希少金属備蓄制度は、国家備蓄と民間備蓄によって構成され、現在はタングステンのほか、ニッケル、マンガンなど計7鉱種を備蓄。最近では04年12月にモリブデン鉱を約20トン、05年3月にはニッケルを約610トン(地金と、鉄との合金であるフェローニッケルとの合計)を、いずれも国家備蓄から売却している。

 タングステンは電気抵抗が大きいため、電球のフィラメントなどに利用されている。【了】