9月に入り、季節は着実に秋へと移りつつある。食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋などとよく言われるが、日本には湧き上がる食欲を押さえつつ楽しむアートが存在する。それは、食品サンプルの世界だ。細部までしっかり再現する食品サンプルの数々に、中国人観光客も「さすがは日本」と感嘆するようである。(イメージ写真提供:123RF)

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 9月に入り、季節は着実に秋へと移りつつある。食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋などとよく言われるが、日本には湧き上がる食欲を押さえつつ楽しむアートが存在する。それは、食品サンプルの世界だ。細部までしっかり再現する食品サンプルの数々に、中国人観光客も「さすがは日本」と感嘆するようである。

 中国メディア・今日頭条は1日、食品サンプルを日本文化の1つとして捉え、その販売店を観光スポットとして紹介する記事を掲載した。記事はレストランのショーケースなどでおなじみとなっている食品サンプルが「日本人の生活の一部分」になっていると説明。食品サンプルを「これほど口にしたくなるプラスチック模型はない」と形容したうえで、実際に買って帰ることが出来る専門店が東京の浅草・合羽橋にあると紹介している。

 そして、この店に並んでいるおいしそうな食べ物の数々がすべて「プラスチックの模型」であると紹介。サンプルの数々が「食べ物ではないが、あまりにもかわい過ぎてそのままお腹の中に入れてしまいたくなる」とした。また、「もしあなたがドール愛好家であるなら、ここはお財布が大量出血する場所になるかもしれない」とし、サブカルチャーを愛する中国人観光客にとっては絶好のスポットとなり得ることを伝えた。

 記事はこのほか、合羽橋が調理用品の専門店街となっており、料理好きの中国人や、レストランを開こうとしている人にとってもうってつけの場所であると説明している。

 食品サンプルの精巧さ、美しさに食欲が掻き立てられていざそのレストランに入ってみたところ、実際に出てきた料理がサンプルに見劣りしていてガッカリした、という経験はないだろうか。裏を返せば、それほど日本の食品サンプルのクオリティが高く、よりリアルな、本物以上にリアルな出来栄えを求めて研究が積み重ねられてきた、ということなのである。リアルな食品サンプルは、本物の料理を提供する人たちにとっても、良い意味で刺激を与えているのかもしれない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)