光泉vs近江兄弟社
安里翔太主将を先頭に場内一周する初優勝の光泉
滋賀大会決勝は1時間52分のスピーディーなゲーム。光泉が1点差で凌ぎ、春季大会初優勝を果たした。
光泉の勝利のポイントになったのは、点を取られた直後に取り返したこと。 2回、準決勝に続いて選抜した192センチのエース左腕・山田篤史(3年)が1点を失ったが、その裏の攻撃で、8番・大谷魁(3年)がセンターへ2点タイムリーを放ちすぐにひっくり返した。
その後、山田は3回に再び1点を与えて同点に追いつかれたが、その裏に5番・氏家啓志(3年)のタイムリーでもう一度勝ち越し、これが決勝点になった。4月に就任した31歳の古澤和樹監督は、「なかなかこういう取られて取っての展開がなかった。選手はよく頑張ったと思います」と讃えた。
投げる方では山田が5回を2失点。6回からは長身右腕の西条耕太朗(3年)がリリーフし、9回に与えた1点だけに抑えた。「ウチの学校は土曜日も授業があり(夏前以外は)練習試合を組めないんです。中々、土日の連投ができないで今日は経験させたかった」と二枚看板を同じ順番で準決勝から連投させた。エースの山田は、「疲れはありましたが、キャッチャーミットを目がけて思い切り投げました。途中からは良くなりました」と振り返った。
光泉は2002年の夏の甲子園には出場したことがあるが、春季大会の優勝は初めて。ベンチの雰囲気を見ているの、ノリが良いチームに感じる。次は5月28日からの近畿大会で各府県の強豪と対戦する。「自分達の力がどこまで通用するか試したい」と古澤監督は夏前の大きなステップとなる大会を見据えた。
一方、敗れた近江兄弟社は秋に続いての準優勝。辻啓人主将(3年)は、「自分達の気持ちの弱さが出た」とまたしても滋賀の頂点にあと一歩だった現実に唇をかみしめた。それでも準決勝に続いてエース・阪部雄哉(3年)が好投。「(センターから)見ていて、たくましくなってきたと感じます。もっと野手が助けてあげたい」と話した辻主将。夏へ向けての課題は、はっきりしている。
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