2011年以来5年ぶりの舞台で初日から会場を沸かせた大山(撮影:上山敬太)

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<ANAインスピレーション 初日◇31日◇ミッションヒルズ・カントリークラブ(6,769ヤード・パー72)>
 「ANAインスピレーション」が開幕し、6名が出場する日本勢先陣を切った大山志保が5バーディ・1ボギーの“68”で4アンダー3位タイスタート。首位の宮里藍に1打差で初日を終えた。

 「FROM MIYAZAKI!シホオーヤマ!」のアナウンス通り。前週の地元・宮崎での戦いから休みなしの強行軍でこの日を迎えた。それでも、INから出て11番でバーディが先行。13番でボギーを叩くも18番パー5では8メートルの「結構切れるフックライン」をねじ込んでスタンドに陣取ったギャラリーから大歓声を浴びた。
 後半も2番パー5でバーディを奪うと、同組で回って同じく4アンダーとしたリー・アン・ペース(南アフリカ)と競うようにペースアップ。5番のパー3では6番アイアンで1メートルにつけて4つ目のバーディ。最終ホールは「一番好きな距離が残った」と84ヤードをサンドウェッジのフルショットでベタピンにつけてバーディとすると代名詞のガッツポーズを何度も繰り出した。
 2011年以来5年ぶりの舞台で38歳が新たな進化を見せた。6,769ヤードを誇るモンスターコースの攻略につながったのは、今季から取り組む“ハイボール”ショットだ。もともとは低く強いボールを持ち球にしてきた大山だが、ここにきて高弾道を描くハイボールの必要性を強く感じているという。きっかけとなったのは昨年の「全米女子オープン」だ。
 最終日の終盤。「17番パー3でチョン・インジさんがチャンスにつけたのに、同じ6番アイアンで打った私のボールは同じところに落ちて、奥の段まで行ってしまった。そこで高い球を使えないといけないと思った」。優勝争いの末に5位に終わった大一番の記憶が、大山を次のステージへ足を進ませるきっかけとなった。
 そこで、オフにトークショーで共演し「アマチュアへのレッスンを聞いていて奥が深いと感じた」というシニアの渡辺司に師事。地元宮崎のフェニックスCCでオフシーズンに共に合宿を行い、“メジャー仕様”のハイボール習得に取り掛かった。「簡単に言うとリリースの仕方。今までは低く長くというイメージだったのを、少し早くリリースするようにした」。この腕さばきはアプローチやバンカーショットの精度アップにも役立っているという。
 明日はグリーンがより硬く速く締まる午後スタート。ツカサ印のメジャー仕様ハイボールがより活きてくるはずだ。

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