広東省深セン市当局が、タクシーのモバイル配車システムに登録されている運転手が問題を多く発生させているとして調査したところ、薬物乱用経験者が計1425人、重大な犯罪歴がある者が1661人いたことが確認されたという。中国新聞社が報じた。(イメージ写真提供:(C)Urs FLUEELER/123RF.COM。深セン駅近くで撮影)

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 広東省深セン市の交通運輸委員会など同市関連部門は4月30日、タクシーなどのモバイル配車システムを運営する5社に対して、登録運転手が極めて多くの問題を出しているとして、改善を求めた。登録されている運転手のうち薬物乱用経験者が計1425人、重大な犯罪歴がある者が1661人いたとして、審査が厳格でないと批判した。

 配車システムは、運転手個人が登録し、顧客がスマートフォンなどで乗車の希望を伝えると、システムにより最適と考えられる車が選ばれて、顧客の元に向かう方式だ。

 深セン市運輸交通委員会客運管理局の兪力調査研究員によると、深セン市向けのモバイル配車システムを調査したところ、運転手が登録を申請した際の審査が厳格でないため、運転手の違法行為や事故が多発していると説明。特に問題が大きかったとして、滴滴、優歩、神州、易到、星星の5社に改善を求めた。

 これまでにモバイル配車システムに登録されている運転手の中で、薬物乱用経験者が計1425人、精神疾患で大きな問題をおこしたことがある者が1人、重大な犯罪歴がある者が計1661人登録されていることが確認できたという。

 また、中国の自動車は多くの場合、ナンバープレートを登録した市や地域の外では走行することが認められないが、上記5社は深セン市を走行できないタクシーが登録されている場合も多いという。兪調査研究員は、走行が認められていない車両が大量に乗り入れていることが、深セン市の交通渋滞の原因の1つとの考えを示した。

 兪調査研究員は、これらのモバイル配車システムが乗客に対してのキャッシュバックや超低料金で客を集めていることは、公正な競争を妨げているとの考えを示した。また、乗客からの苦情に「速やかに適切に対応」しているとは言えない状況という。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C)Urs FLUEELER/123RF.COM。深セン駅近くで撮影)