大阪がゲームの都になるかもしれない。2016年2月9日に行われた大阪の「副首都推進本部会議」で、作家で元東京都知事の猪瀬直樹氏が、2016年1月30、31日に幕張で開催されたニコニコ闘会議について触れ、「e-Sports」に関しても言及したのだ。

世界最大のゲーム見本市「E3」では常に大盛り上がりで、ゲーム人気の熱が感じられる(patsunさん撮影。flickrより)

今、最先端技術が集まるのは「ゲーム」

猪瀬氏は、民の力で万博を大阪で開催することが出来るはずだ、という発言の中で、万博と同じく最先端技術が集う場としてニコニコ闘会議を例に出し、e-Sportsについても言及した。

「ニコニコ闘会議というものが開催されて、5万人が集まっています。これからの時代の転換点となるイノベーション、デジタル、モバイルの現状が闘会議という場に現れている。最先端のテクノロジーが使われたこのイベントを、大阪で開いたらどうだろうか。
ゲームをしてなんになるんだ、という人も多いかもしれない。しかし、現在は最先端のゲームの中から新たな文化が生まれてきている。e-Sportsという分野では1億円プレイヤーも存在し、新しいスポーツの概念が生まれています。大阪は常に新しい文化を発信する、そういう場所なのだから、闘会議やニコニコ超会議が大阪発で行われてもいいはずなんです。新しい未来を呼び込むイベントを民間の力でやっていけるような形にしたらいいと思う」

「e-Sports」は、プレイヤー同士で競うゲームをスポーツ・競技として捉えたものだ。世界的には認知され、高額の賞金が手に入る大会も多数存在している。

日本初のプロのゲームプレイヤーとして知られる梅原大吾さんは、格闘ゲームで活躍しており、「世界で最も長く賞金を稼いでいるプロゲーマー」としてギネス認定を受けたこともある。梅原さんがプロとして活躍し始めてから、日本人プロゲーマーも少しずつ増えてきている。

しかし、他国と比較すると日本では依然としてe-Sportsとプロゲーマーの認知度は低いままだ。

頭脳を使う将棋や囲碁、チェスなどのボードゲームと本質的には変わらないはずだが、ゲームは子供がやるものだ、という認識が日本では未だ根強い。アニメ・マンガなども同じ状況にあり、クールジャパン戦略とは言っても、「子どもが見るもの」という意識はぬぐい切れていないのが現状だ。

そんな中、未来に向けて大阪府を考える会議でe-Sportsについて触れられたことは大きな意義があるのではないだろうか。

大阪を中心にした近畿地方では古くから新たな文化の発信源だった。江戸時代には上方文化が栄え、芸能・娯楽・文学・服装や食事など、あらゆる分野で新しく、面白いものが生まれていた。そういった歴史的経緯からも、最先端技術と新たな文化を担う都市づくりという方向性は、大阪本来の気質と合致しているのかもしれない。

そういえば、Jタウンでは以前に大阪にはPS3そっくりのビルがある、という記事を掲載した(参照:大阪の高層ビルが「PS3にしか見えない」問題)。実はゲームの都化は着々と進んでいる可能性も......?