日系車の品質の高さは中国で非常に高く評価されているが、資源が乏しいうえに自動車工業史が欧州に比べて短い日本はなぜこれほどまでの製品を造り出せるようになったのだろうか。(イメージ写真提供:123RF)

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 日系車の品質の高さは中国で非常に高く評価されているが、資源が乏しいうえに自動車工業史が欧州に比べて短い日本はなぜこれほどまでの製品を造り出せるようになったのだろうか。

 中国メディアの捜狐はこのほど、日本の自動車文化の発展の原動力は「強靭な生命力」だと指摘する記事を掲載している。

 記事は日本の自動車文化の「強靭な生命力」の証拠を列挙している。例えば1970年代のオイルショック以前、日本車に対する米国市場の評価は「外観が悪い」、「非力なエンジン」など散々だったと主張する一方、日本メーカーは強靭なバイタリティーを発揮、こうした評価にもめげずオイルショックを利用して日本車に低燃費という強みを付加し、米国市場で大きなシェアを獲得するに至ったと説明した。

 また軽自動車の存在も強靭な生命力の一例だと記事は紹介、軽自動車を「日本独特の車種」と呼んでいる。軽自動車は税金が安く、また日本の狭い道路でも走行できるメリットがあるため日本で発達したと説明。道路の広い中国の地方都市などでは、日本の軽自動車のようなサイズの車はまず見かけない。国土にぴったり合う車種をこれほどまでに発展させた日本車文化の独創性と積極性に、記事は強靭な生命力を感じ取ったようだ。

 また「改造文化」にも記事は言及、この改造文化は「日本人の髄にまで浸透しており、世界の車改造ファンにも大きな影響を与えている」と説明する。数々の有名パーツメーカーが存在するのも、日本の車文化にあふれる強靭な生命力の証拠となっていると記事は指摘。確かに内装や音響にお金を惜しまない消費者も日本には多い。

 また記事は日本が世界に先駆けて新エネルギー車の開発に取り組み、ハイブリッド技術を広く普及させていると紹介、これらの数々の事例は日本の車社会に強靭な生命力が宿っている証拠だと指摘した。

 記事が論じるところの「強靭な生命力」の源泉は、日本人が自動車を深く愛しており、単なる交通手段やメンツのための道具と見ていないところにあるのかもしれない。ただ、日本でも若者の車離れという問題が取り上げられているとおり、少子高齢化などもあって日本の自動車文化が今後は変化が起きる可能性も否定できない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)