ソフトバンク・工藤公康監督【写真:編集部】

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李大浩退団も充実の戦力 今年も強いソフトバンク、打線はどうなる?

 ディフェンディングチャンピオンが、順調過ぎるプレシーズンを送っている。昨季の日本一、パ・リーグ王者のソフトバンクである。

 2月29日、1か月に及んだ宮崎キャンプの打ち上げを迎えた工藤ホークス。この間、主力組のA組は5試合の対外試合を戦った。結果から言えば、5戦全勝。同18日の韓国ロッテジャイアンツとの練習試合に始まり、「球春みやざきベースボールゲームズ」で韓国斗山ベアーズ、そして、楽天、ロッテ、西武と次々に撃破していった。

 今季のソフトバンクは、昨季5番を務め、日本シリーズMVPに輝いた李大浩が米MLBのシアトル・マリナーズへと移籍。主軸の一角を失いながら、その影響をここまで感じさせていない。工藤公康監督は李大浩を欠いた今季、どのような打線を組むのだろうか。

 李大浩の穴を埋めるファーストチョイスとなりそうなのが、長谷川勇也である。2013年に200安打に迫る198安打を放ち、最多安打を獲得した左打者。実績で言えば、ガチガチのレギュラーであっておかしくないが、14年オフに受けた右足首の手術の影響で、昨季はわずか30試合の出場に終わっている。だが、バットコントロールは健在で、彼がシーズンを通してプレー出来れば、その穴は十分に埋まる。

 ソフトバンクはキャンプ中、内川聖一が一塁手に挑戦しており、連日特守にも励んでいた。このコンバート構想からすれば、長谷川の起用法としては内川が守っていた左翼ないし指名打者、打順は5番に入るのが理想的と言えるだろう。

充実した戦力、左右ジグザグの打線も可能

 3番には昨季トリプルスリーを達成した柳田が座り、4番は内川、そして5番に長谷川、6番には米MLBへの挑戦を目指しながら、残留を決めた松田、7番には2014年の最多安打の中村晃が入る。これにより、左右ジグザグの打線が組めるようになる。

 1、9番に本多、上林、福田、捕手なら高谷といった左打者、2、8番に今宮、川島、捕手で言えば細川の右打者を置くことが出来れば、1〜9番まで左右交互に並べることすらも可能なのである。

 長谷川以外にも、カニザレス、若手の成長株である上林誠知、俊足が武器の福田秀平、内外野をこなせ、勝負強い川島慶三、一発を期待出来る吉村裕基、内野の全ポジションでプレー出来る高田知季と、代役候補は多士済々。他球団がうらやむ戦力の充実ぶりである。

 昨季141試合に出場し、打率2割8分2厘、31本塁打、98打点をマークした大砲の穴は確かに痛い。だが、これで王者が弱体化するかと言えば、そうではない。他球団でスタメンを張れるだけの面々が虎視眈々と出来た“穴”を狙っている。影響は最小限。今年もソフトバンクは強い。