団地というと、古き良き昭和の、ほのぼのとした暮らしを思い浮かべる人も多いだろう。だが実際に暮らしてみると、やはり嫌な部分も見えてくるようで......。

福島県のQさん(20代女性・会社員)は最近まで、家族とともに団地住まいをしていた。だがQさんは、その団地が「大嫌い」だったという。

事あるごとにジロジロ見てきて...

少し前まで、ある町の団地に暮らしていました。母方の祖父母が昔からそこで暮らしていたので、親と一緒に同居していたのです。

住民はみんな祖父母と同じく、何十年もいる方がほとんどなので、お互いに顔や名前はもちろん、仕事、家族構成までよく知っている仲です。というと、「顔も知らない隣人ばかりの都会より、安心して暮らせそう」と思われるかもしれませんが、私はこの団地が大嫌いでした。

画像はイメージです(nachansさん撮影、Flickrより)

というのも、住民のほとんどが詮索好きで、お互いの一挙一動を「監視」し合っているような毎日だったからです。

何気ない言葉の節々に...

たとえば近所の誰かが家を出る、あるいは帰ってくる物音が聞こえると、さもさりげないような様子で外に出てきて、その様子をうかがっている節があるのです。急に玄関先の掃除を始めたり、隣接する畑に出てきて作業を始めたり......。そうしておいて、

「あら、Qさん。どこか出かけていたの?」

と探りを入れてきます。これだけ見ると普通の日常会話かもしれませんが、それがほぼ毎回! 引っ越した当初はそれほど気にしていませんでしたが、あまりにもタイミングがいいので、次第に不気味になってきました。

もちろん、監視していることを正面から言ってくるようなことはありません。しかしたとえば、何気ない世間話の中に、

「おばあちゃんは元気でいいわね。この間も××に出かけられていたんでしょ?」

といった風に、我が家の動向を知っている、ということをほのめかしてくるのです。

井戸端会議も大好きで...

住民たちはよく団地の一角に集まって「井戸端会議」をしていましたが、そこではいつも

「○○さん家の息子さんは最近......」

といった調子で、近所の人たちの噂話がささやかれていました。もともと祖父母は超然とした人で、そうした噂にはあまりかかわろうとしなかったこともあり、「覗きたければ覗けばいいし、噂したければ噂すればいい」といった調子でしたが、私は嫌で嫌で仕方がありませんでした。

今は家族そろって都市部に引っ越したので、あれこれ詮索されることは一切なくなりました。「都会より田舎の方が人情があっていいよね」という人もいますが、私はまったくそうは思いません。

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