テレビ朝日「ビートたけしのTVタックル」では「アスリート第2の人生を徹底調査!」と題し、元Jリーガー・佐野克彦さんをフィーチャー。清水エスパルスユースで活躍した佐野さんは、18歳で当時のU-19日本代表にも選ばれ、香川真司や内田篤人らとプレー、将来を嘱望された選手の一人だった。

だが、2007年、清水エスパルスに入団を果たすも、一度も試合に出場することなく選手を断念。現在は警察官として日々奮闘しているという。

Jリーガーとして1年目の給料を訊かれた佐野さんは「(1年目の選手は)480万が最高額なんですけど、一応最高額貰えることができました」といい、契約金についても「契約金という形ではなく名前は支度金。これも上限が決まってまして380万が上限」と説明。こちらも最高額を与えられるほど、期待された選手だった。

だが、入団会見の10日後、練習中の佐野さんは、前十字じん帯断裂に半月板損傷という全治7ヶ月の大ケガを負ってしまう。2年目には高校の同級生だった妻・衣里さんと結婚し、第一子が誕生するもケガの連続により第一線でプレーはできず。番組のカメラに当時の様子を語った衣里さんも「こんだけ頑張っているのに。辛そうでしたね。下手に声をかけれなかったことを記憶しています」と明かした。

結局、佐野さんは3年間で一度も試合に出場することなく戦力外を通告された。2009年12月にトライアウトを受けるもオファーはなく、引退を余儀なくされたのだ。

第二の人生については「高卒でも資格がなくても入れるのようなものを探した」という佐野さんだが、家族を養うため、アルバイトをしながら予備校に通い、地方公務員を目指して毎日10時間の猛勉強を敢行。妻の実家で生活しながら、月の収入は10万円ほどだったという。

それでも努力が実り、その1年後には晴れて警察官となった佐野さん。現在は静岡市内にマイホームを建て、3人の子供にも恵まれた。

「家族がいなければ、もっと自分の思うようなことができたんじゃないかって思ったりしますね。葛藤はありましたけど」と夫の苦労や苦悩を労った衣里さんは、「それでも今こうやって子供とサッカーをやれる姿を見ることができているんで、すごい有り難いですね」としみじみ。

VTRが紹介されると、ゲストの元日本代表・本田泰人さんは「引退後のいい例。家族がいたから切り替えられたと思う。切り替えられなくてどうしようっていう選手も沢山いますから。サッカーしかやってこなかった人がほとんどなんで」と所感を述べている。