パリでのテロ事件で犠牲になった130名には、アルジェリア人の2名も含まれていた。だが、かつてアルジェリアがフランスの植民地だった過去は、まだ乗り越えられていない。そのため、サッカーの試合でゴールを決めたときに、パリの犠牲者に連帯を示すメッセージを見せただけでも、アルジェリアでは大きな代償を払うことになってしまうようだ。

アルジェリア2部のバトナに所属するロトフィ・ディフは、それを分かっているだろう。21歳の彼はゴールを決めて喜ぶ際に、ユニフォームをまくり上げ、パリ・サンジェルマン(PSG)がスローガンとした「Ici c Paris」(ここがパリだ)とメッセージが書かれたシャツを見せた。

だが、ディフはこの行為により、出場停止と2000ユーロ(約27万円)の罰金処分を科されたのだ。

バトナの会長は『Reporters』で、「不適切な振る舞い」による決定だとし、ディフの行為を観客がよく思わなかったと述べた。チームメートのジャバリも同様だ。彼はすぐ、ディフにメッセージを隠すようにうながしていた。

ディフ本人は、次のように釈明している。

「Tシャツに何が書かれていたのか知らなかったんだ。僕はただ(ズラタン・)イブラヒモヴィッチとPSGのファンなんだよ。政治的な意図はまったくないんだ。フランスと連帯しているわけじゃない。あっちで起きたことは、僕にまったく関係ないんだ」