【東アジアカップ】中国戦予想スタメン/最終戦はテストを優先? 東口や丹羽らが代表デビューか
台風が近づいている影響か、いつもより風が強かった。日差しも普段より弱く、空には珍しく厚い雲が立ち込めている。そんな17時30分頃に始まった前日練習は急遽、冒頭20程度でクローズされた。非公開は中国に渡ってから初だ。
「先ほどタクティックの練習をして、情報を彼らに伝えました。10分や15分のエクササイズで本当にたくさんのことを伝えなくてはいけないので、それはできませんが」
相変わらず準備期間の短さをボヤくハリルホジッチ監督が明かすように、練習では「タクティック」の手ほどきがされたようだ。詳細は分からないものの、中国対策を落とし込んだのは間違いないだろう。続けて指揮官は「毎試合、選手を変えていますので、次も新しい選手が出る可能性はあります」と中国戦のスタメンについても示唆した。
テストなのか、それとも勝ちにこだわるのか。どちらを優先するかによって、スタメンの顔ぶれは変わる。テストを優先させるなら、これまで出番のなかった選手たちをスタメンに抜擢する。逆に勝ちを優先するなら、韓国戦で安定感を取り戻した最終ラインは手を加えないといった具合に。
とはいえ、指揮官の言葉から察するに、前者を選ぶ可能性が高いようだ。
「今回のメンバーが、日本代表のベストメンバーではありません。日本代表にとってベストなチームを探している段階です。我々の難しい状況を少し理解していただいて、そのうえで私を批判してください。すべて私の責任なので、私への批判は問題ありません」
選手ではなく、「私への批判」を強調した点を予防線と捉えれば、スタメンの顔ぶれは見えてくる。今回のメンバーで出場機会を与えられていないのは、東口、六反、水本、丹羽、米倉、米本の6人。彼らの多くが、先発に名を連ねる可能性があるということだ。
この6人のうち、中国戦に抜擢されると思われるのは4人だ。GK東口とCB丹羽、右SB米倉とボランチの米本である。
彼らをスタメンに予想した根拠は、チームの内の序列だ。GKの東口とCBの丹羽は先日のワールドカップ予選・シンガポール戦から継続での選出で、初代表の六反や3月以来の復帰だった水本よりも指揮官の覚えが良い。米倉と米本は、すでにライバルたちがチャンスを与えられているため、お鉢が回ってくる形だ。
その他のメンバーでは、出場時間が比較的少ない宇佐美や浅野、2試合連続で一定以上のパフォーマンスを披露していた山口あたりが入るだろう。また、中国の高さ対策として、韓国戦で長身FWを押さえ込んだ槙野もスタメンに名を連ねそうだ。
中国戦で試されるのは、ハリルホジッチ監督が強調する「フィジカル面」だろう。まずは、「フィジカルを押し出してやってくるチームなので、初戦のミスをしっかり教訓にしながらやりたい」(宇佐美)という局面での競り合いに勝つ。そのうえで、運動量や「技術でも上回って」(同)ゲームを支配するのが理想だ。
戦術的には、最終ラインの押し上げを意識したい。韓国戦では長身FWを警戒して守備ブロックを下げすぎたため、切り替えが遅れて攻撃が停滞した。同じく長身FWを擁する中国にも同じようなスタンスを取れば、再び攻撃が機能不全になりかねない。
もちろん、無理にラインを押し上げろとは言わないが、戦局に応じた「臨機応変」(水本)な対応は必要だろう。流れが日本に来た時に守備ブロックを少しでも高くしておけば、こぼれ球を拾って二次攻撃につなげる可能性も高められる。また、ショートカウンターを狙える機会が増え、指揮官の理想とする「縦に速い攻撃」も機能するはずだ。
ここまで1分1敗と連覇の可能性は消えているものの、未勝利のまま帰国するのでは選手たちのプライドが許さないだろう。しかも、中国戦で引き分け以下に終われば、最下位が決定する。そんな不名誉な結果を避ける意味でも、中国戦は勝利で締めくくりたいところだ。
取材・文:五十嵐創(サッカーダイジェスト編集部)
「先ほどタクティックの練習をして、情報を彼らに伝えました。10分や15分のエクササイズで本当にたくさんのことを伝えなくてはいけないので、それはできませんが」
相変わらず準備期間の短さをボヤくハリルホジッチ監督が明かすように、練習では「タクティック」の手ほどきがされたようだ。詳細は分からないものの、中国対策を落とし込んだのは間違いないだろう。続けて指揮官は「毎試合、選手を変えていますので、次も新しい選手が出る可能性はあります」と中国戦のスタメンについても示唆した。
テストなのか、それとも勝ちにこだわるのか。どちらを優先するかによって、スタメンの顔ぶれは変わる。テストを優先させるなら、これまで出番のなかった選手たちをスタメンに抜擢する。逆に勝ちを優先するなら、韓国戦で安定感を取り戻した最終ラインは手を加えないといった具合に。
とはいえ、指揮官の言葉から察するに、前者を選ぶ可能性が高いようだ。
「今回のメンバーが、日本代表のベストメンバーではありません。日本代表にとってベストなチームを探している段階です。我々の難しい状況を少し理解していただいて、そのうえで私を批判してください。すべて私の責任なので、私への批判は問題ありません」
選手ではなく、「私への批判」を強調した点を予防線と捉えれば、スタメンの顔ぶれは見えてくる。今回のメンバーで出場機会を与えられていないのは、東口、六反、水本、丹羽、米倉、米本の6人。彼らの多くが、先発に名を連ねる可能性があるということだ。
この6人のうち、中国戦に抜擢されると思われるのは4人だ。GK東口とCB丹羽、右SB米倉とボランチの米本である。
彼らをスタメンに予想した根拠は、チームの内の序列だ。GKの東口とCBの丹羽は先日のワールドカップ予選・シンガポール戦から継続での選出で、初代表の六反や3月以来の復帰だった水本よりも指揮官の覚えが良い。米倉と米本は、すでにライバルたちがチャンスを与えられているため、お鉢が回ってくる形だ。
その他のメンバーでは、出場時間が比較的少ない宇佐美や浅野、2試合連続で一定以上のパフォーマンスを披露していた山口あたりが入るだろう。また、中国の高さ対策として、韓国戦で長身FWを押さえ込んだ槙野もスタメンに名を連ねそうだ。
中国戦で試されるのは、ハリルホジッチ監督が強調する「フィジカル面」だろう。まずは、「フィジカルを押し出してやってくるチームなので、初戦のミスをしっかり教訓にしながらやりたい」(宇佐美)という局面での競り合いに勝つ。そのうえで、運動量や「技術でも上回って」(同)ゲームを支配するのが理想だ。
戦術的には、最終ラインの押し上げを意識したい。韓国戦では長身FWを警戒して守備ブロックを下げすぎたため、切り替えが遅れて攻撃が停滞した。同じく長身FWを擁する中国にも同じようなスタンスを取れば、再び攻撃が機能不全になりかねない。
もちろん、無理にラインを押し上げろとは言わないが、戦局に応じた「臨機応変」(水本)な対応は必要だろう。流れが日本に来た時に守備ブロックを少しでも高くしておけば、こぼれ球を拾って二次攻撃につなげる可能性も高められる。また、ショートカウンターを狙える機会が増え、指揮官の理想とする「縦に速い攻撃」も機能するはずだ。
ここまで1分1敗と連覇の可能性は消えているものの、未勝利のまま帰国するのでは選手たちのプライドが許さないだろう。しかも、中国戦で引き分け以下に終われば、最下位が決定する。そんな不名誉な結果を避ける意味でも、中国戦は勝利で締めくくりたいところだ。
取材・文:五十嵐創(サッカーダイジェスト編集部)