学生の窓口編集部

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専門家によれば、中国の明時代につくられた万里の長城のおよそ3割がすでに失われているそうです。自然によるダメージもありますが、例えば家を建設するためにレンガを盗んでしまうといったような、人間の心ない活動によってもユネスコ世界遺産が消えつつあると報道されています。

北京タイムスによると、今までに長さにして1962メートルの万里の長城が失われました。
風化による損傷が進むなか、壁の中に根を張った植物が壁の崩壊を加速させます。
万里の長城の3割が消えている
「たとえ壁がレンガと石でできているとしても、絶え間なく風や雨にさらされることに耐えることができません。」と、万里の長城保存協会のドン・ヤオヒ副会長は話しています。

「塔の多くは、ぐらぐらになっていて、夏に暴風雨が起きたら倒れてしまうかもしれません。」

さらに観光客や地元の人達も、万里の長城にダメージを与えています。

河北省の北側の行政区では、貧しい村人が家を建設するために、万里の長城から厚い灰色のレンガを取ってしまいました。また、漢字が彫られた厚板は地元の人によって、ひとつ30元(約600円)で売られてしまったといいます。

中国の規則では、万里の長城からレンガを取ると罰金が科せられます。
しかし、河北省文化財保護機関のジア・ハイリン氏によれば、その規則を実施する特定の組織がありません。ダメージについては当局に報告されるだけです。また、2つの行政区にまたがって問題が起きている場合、解決が非常に難しくなります。

それに加えて、この数年、今まで観光客が訪れなかった万里の長城の未開の部分を探検することが流行っているのもダメージを加速させる原因となっています。

Experts say 30 per cent of China’s Great Wall has disappeared
http://www.news.com.au/travel/experts-say-30-per-cent-of-chinas-great-wall-has-disappeared/story-e6frfq7r-1227420898345