仕事による強いストレスなどが原因で発病した精神障害の労災請求件数が過去最多となったことが厚生労働省の発表で分かった。一方、過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患に関する請求件数は3年連続で減少した。

 2014年度の精神障害に関する事案の労災補償の請求件数は1456件(前年度比47件増)、支給決定件数は497件(同61件増)となり、ともに過去最多を更新した。

 業種別では、請求件数は「製造業」245件、「医療,福祉」236件、「卸売業,小売業」213件が多く、支給決定件数は「製造業」81件、「卸売業,小売業」71件、「運輸業,郵便業」63件が多い。

 職種別では、「専門的・技術的職業従事者」(請求件数347件、支給決定件数110件)、「事務従事者」(同336件、同99件)、「サービス職業従事者」(同193件、同63件)が多い。

 年齢別では、「40〜49歳」(同454件、同140件)、「30〜39歳」(同419件、138件)、「20〜29歳」(同297件、同104件)が多い。

 支給決定の理由は、「悲惨な事故や災害の体験・目撃」72件、「嫌がらせ、いじめ、暴行」69件、「1カ月に80時間以上の時間外労働を行った」55件が多い。昨年は最も多かった「仕事内容・仕事量の変化」は50件で4番目。

 一方、脳・心臓疾患に関する事案の請求件数は763件(前年度比21件減)で、3年連続で減少した。支給決定件数は277件(同29件減)で、2年連続で減少した。

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