若いチームをまとめる主将！

主将の松山を中心にマウンドに集まる塔南

　安打数は塔南の11に対して東山は10。失策数は塔南が4、東山が3とやや荒れたゲーム展開になった。

　特に9回裏の塔南の守り。二番手でマウンドに上がっていた宮��祥汰(2年)が内野ゴロ三つを打たせたが、いずれも失策して2点差に迫られた。さらに二死一、二塁のピンチでファーストゴロがイレギュラーしてしまう。ヒヤッとする場面ではあったが、ファーストの島野修輔(2年)が何とか反応してベースを踏み、ようやくゲームは終わった。

　｢2年生が多いので、メンタルが弱い、弱い｣と苦笑いしたのが奥本保昭監督。ファーストの島野、セカンドの木野村聡彦、サードの築山雄介、ショートの深田篤基と内野手は全て2年生というチーム構成。現時点では勢いと脆さが同居している印象を受ける。

　勢いという点では、2打席連続でタイムリー三塁打を放った7番・尾崎出雲のバッティングが見事だった。ライトを守る尾崎もまた、2年生だ。

　この若いチーム構成をまとめるのが主将でもあるキャッチャーの松山皓多(3年)。今年の春先まではサードをまもっていたが、4月の一次戦前に｢声が出るしムードメーカー。扇の要に彼をおきたい｣という奥本監督の意向でキャッチャーにコンバートされた。

　元々はキャッチャーで、この日先発した竹田桂二(3年)と中学の時にもバッテリーを組んでいたという松山は、｢ノリでやってしまう部分があるので、ここはしっかりと締めないといけない場面だぞとか、ここはノリでも良いから元気を出してしっかり声を出していこうとかと言っています｣と若いチームをまとめる気持ちを話す。

　攻撃でも、5回の第3打席でライトへ大きなフライを放った。わずかにフェンスオーバーとはならず捕球されてしまったが、しっかりと振り切って打っただけに、4番の島野以降、五人連続で並ぶ2年生に勇気を与えた。下級生中心のチーム構成でも、最後に頼りになるのは3年生である。

　準々決勝は昨年に続いて王者・龍谷大平安が相手。｢奥本先生からは平安といい勝負をしようと言われた。去年のように自分たちから崩れていかないようにしたい｣と若いチームをまとめる主将は抱負を語った。