神戸国際大附vs報徳学園

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突きつけられた現実

厳しい表情で集まる報徳学園

 わずか3安打、得点は相手守備のエラーの間の1点だけに終わった報徳学園。「ぐうの音も出ない。完敗です」と永田裕治監督は言葉少なに語った。

 神戸国際大附が公式戦初先発の左腕・東郷太亮(2年)で来ることは想定していたと永田監督は話す。だからこそこの1週間、その対策のための練習試合も4月29日に行っていた。ところが2回の二死二塁のチャンスを相手の好守で生かせなかった後は、完全に東郷を乗せてしまう。しかも5回まではノーヒットであった。

 ベンチ前で何度か円陣を組んで、狙う球と捨てる球を確認する。しかしそれでも6回に1番・端岡 陸(3年)、2番・波田逸平(3年)で連打を放つが精一杯だった。「高めを捨てて低めを振っていこうという話をしていましたが、高めを振らないと決めたら低めも振れなくなってしまった」と長谷寛太主将(3年)は肩を落とした。

 神戸国際大附は7回途中からエースの塩田 大河(3年)へ継投してきたが、報徳学園打線は捕えることができず、逆に9回の2失点が致命的になってしまった。

 試合後のミーティングでは首脳陣から厳しい言葉が飛ぶ。特に昨秋決勝で敗れたライバル・神戸国際大附に二度までも負けただけに、もっと悔しい気持ちを全面に出してほしいという首脳陣の思いも垣間見えるミーティングであった。それだけ、悔しさを全面に出していないと見られていたのだろう。 もう一つ言えば、神戸国際大附の2年生・東郷に大きな自信を与えるかもしれない一戦になったということもある。そうなれば来年夏までとう長期にわたって、報徳学園は大きな敵を作ってしまったのかもしれない。

 ミーティングが終わった長谷主将は意を決して言った。「次(夏)に勝てば、2回の負けはなくなる。終わりよければすべて良しになるように、練習したい」。

 恒例となっている大型連休中の強化合宿。今年は、公式戦がまったくない状態で地獄の特訓となるであろう。

 一方、6回3分の2を投げて2安打1失点と好投した神戸国際大附の東郷は、「先頭打者をアウトにとることを意識して投げた」と初先発のテーマを話した。入学時から青木尚龍監督が期待する左腕が、ようやく頭角を現してきた感じだ。

 守備も左腕を支えた。特に2回二死二塁で後方への難しいフライをキャッチしたセカンド・妹尾克哉(2年)のファインプレーは、勝負に大きく関わった。負けゲームを勝ちに繋げた津名との3回戦を経て、確実に強くなっている印象を受ける。

 そして津名戦で打たれたエースの塩田がしっかりと抑えたことも大きい。秋春県大会連覇へ向けてあと2勝だ!