画像提供/株式会社有学書林 ※画像は韓国版『嫌日流』の表紙

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 皆さんは『嫌日流』という本をご存じだろうか? タイトルを読んで「まさか・・・」と思われた方はお察し通り。ズバリ、「日本が嫌いだ!」という視点で日韓問題が描かれている韓国の作品だ。2005年、日本で発表された『嫌韓流』同様、過激な内容で注目されているのかと思いきや、どうやら別の意味でも注目を浴びているらしい。日本に関する記述が、何というか・・・かなり間違っているらしいのだ。

 調べてみたところ、代表的な間違い箇所として、以下のようなことが挙げられていた。

・ 日本には敬語がない。
・ 明治維新の時まで外には小便壷が置かれており、女性も皆利用していた。
・ 日本のテレビ番組には、女性が男性の局部を引っ張る番組がある。

 う〜ん、かなり間違っている。著者のヤン・ビョンソル氏がどうして勘違いをしたのか、皆目見当もつかないが、少なくとも「女性が男性の局部を引っ張るテレビ番組」は無い。あったら放送禁止なんですけど・・・。

 そんな『嫌日流』、何と2006年6月の上旬〜中旬の間に、日本語訳されたものが発売になるとのこと。さっそく、出版元である株式会社有学書林の大野田社長にお話を伺ってみた。

 日本に関する記述で、事実とは異なる箇所が多々見られるんですが・・・。

 「そうですね。確かに日本人からみれば首をかしげたくなる箇所はあります。しかし、今回はそういった部分を含めて、極力韓国で出版されたままの状態で日本でも出版します。このような作品はカルチャーギャップを前提としていますから。むしろ日韓の“普通の人”の歴史観の差を知ることに意味があると思います」(株式会社有学書林 大野田社長)

 韓国での反響はどのようなものだったのでしょうか?

 「正直、『良い本だ』とは言われてないですね(笑)。反響を寄せたのも、歴史的勉強をしているインテリ層や、バランス感覚を持つ方々が中心でしたので。しかし、多少の誇張はあるものの、『嫌日流』が韓国の人々の内なる気持ちを代弁していることには変わりないと思います」(同)

 なるほど。タイトルこそ『嫌日流』ではあるが、その中身は韓国を知るための手がかりで構成されているようだ。韓流ドラマに夢中になるのもいいけれど、たまにはこうした作品に触れてみるのも、異文化交流の一環として必要なのではないだろうか? (安田明洋/verb)

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