台湾の蕭維民海軍参謀長は12月29日、台湾は1200-3000トンの潜水艦を自主建造すると述べた。台湾国防部の邱国正次長によると、2016年に着手するという。台湾メディアを引用して、大陸メディアの中国新聞社が30日付で報じた。

 国会に相当する立法院で29日、国民党所属の林郁方委員(議員)が、米国のシンクタンクである、戦略と予算査定センターが「台湾は現在保有している8隻の潜水艦を、120トンの小型潜水艇42隻に代えるべきだ」との見方を示したことについて質問した。

 蕭海軍参謀長は「120トンの小型潜水艇では偵察能力、航行能力、作戦能力で制約が非常に大きい」、「台湾の周辺海域の環境は複雑であり、海流は強い。小型潜水艇は、戦備としても任務遂行でも要求を満たさない」として、戦略と予算査定センターの考えを否定。「現時点における作戦計画では、1200トンから3000トンの潜水艦が必要」と答弁した。

 同件について、台湾国防部の邱国正次長も「潜水艦の自主建造についての契約の方式を示す『投資綱要計画』はすでに審査を通過した。建造計画はすでにできている」、「着手は2016年」などと説明した。

 林委員の事務所によると、潜水艦の自主建造の予算は30億台湾ドル(約113億6550万円)で、建造期間は2016-19年という。

 台湾は1970年代前半までは米国から潜水艦を購入していたが、米国はそれ以降、台湾からの求めに応じなくなった。1980年代にはオランダからヴァールトフィス級潜水艦(改良型)を2隻購入した。当初計画では6隻を購入するはずだったが、中国が大使引上げなどオランダに強い圧力をかけたため、計画が縮小されたとされる。

 台湾軍関係者は10月、米国内で同国の軍需産業企業関係者と会談し、潜水艦を自主建造する意向を示した上で、協力を求めた。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)