作戦が見事的中、当選した池内氏(公式HPより)

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 12月14日の衆議院総選挙で、東京の中でも意外な地区が注目を集めた。東京12区(北区)だ。

 公明党の前党首・太田あきひろ、次世代の党から田母神としお、前回の選挙で太田を破った生活の党の青木愛。有力候補者がずらりと並ぶ中、共産党が擁立したのが池内さおり(32)だった。小林多喜二の生きざまに感銘を受けて21歳の時に日本共産党に入党するという、筋金入りの共産党員だ。

「昔はあんなじゃなかった」

 気になるのは、その見た目。32歳という若さなのだから、それはかわいらしいのだろうと思っていたのだが……金髪に近い茶髪にデザイン眼鏡、体にピッタリの黒いジャケット姿。全身から違和感を感じる。

 公式HPを覗いてみると、さらに混乱した。皮ジャンを羽織り、茶髪をツンツンに立てている。マイクを持つ姿は政治家というより、完全にロック歌手なのだ。

 気になったので、彼女の経歴を調べると、確かに中央大学法学部に在籍当時、友人とロックバンドを結成していた様子。ところが、彼女を知る人は言う。

「あの子、前の選挙ではあんなじゃなかった。黒目をウルウルさせて、どちらかというと女のコを売りにしているようなタイプだった。当選した青木愛にビジュアル的に負けていたから、同じキャラ設定はまずかったのか……それにしてもあの転身ぶりには驚いた」(北区民)

 実は池内氏は2009年に初めて立候補。続く2012年にも立候補し、落選の憂き目に遭っている。

ヤンキーウケする土壌がそうさせた!?

 突然の変貌の理由について、前出の北区民は次のような分析を寄せてくれた。

「今回の選挙から突然ロックな感じになったのには、北区という土地柄が関係しているのかもしれないね」

 一体どういうことなのか。

「北区は赤羽に代表されるように、ちょっとヤンキーな人が集まる場所。女のコらしい女のコよりも、ヤンキーな感じの方が女性ウケがいいのは間違いない。幼稚園のママカーストでも、女性っぽい人は派閥になかなか入れずに、上部を占めるのはヤンキーママばっかり」(北区民)

 事実、池内氏は今回の選挙で女性票を伸ばし、見事に当選を果たした。 

 過去にも珍しい共産党員のロック女性。経緯はどうあれ、ロックを地でいく大胆な政治に期待したい。

(取材・文/大伯飛鳥)