左から釜玉うどん専用、和食専用「和の極み」、スクランブルエッグ専用

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毎日の食卓に欠かせない卵。スーパーにもいろいろな銘柄の卵が並んでいるが、最近ではなんと“料理別の専用たまご”なるものまで登場している。

それが徳島県の卵販売会社、小林ゴールドエッグが販売する「料理別たまご」シリーズ。「究極のたまごかけごはん専用たまご」に始まり、「めだまやき専用たまご」「ゆでたまご専用たまご」「オムレツ専用たまご」、さらには「カルボナーラ専用たまご」なんてものまである。

実は同社のことは、2010年にコネタで一度紹介しているのだが、あれから4年以上が経ち、料理別たまごはさらに進化していた。2010年には10種類であったラインアップが16種にまで増えていたのだ。

新たにラインアップに加わったのは、「スクランブルエッグ専用たまご」「釜玉うどん専用たまご」「すきやき専用たまご」「おでん専用たまご」など全6種。早速、新商品をいくつか取り寄せてみた。

まずは、釜玉うどんから。

こってりした卵はうどんによく絡み、実にまろやかな味わい。卵のやさしい甘味がだし醤油と絶妙にマッチして、後を引く旨さ! そこらのお店にも負けてないかも!?

続いて「スクランブルエッグ専用たまご」も使ってみると、こちらはややあっさり風味で、色鮮やかで見た目もよく、ふわとろな仕上がりに感動した。

もう1つ、和食専用たまご「和の極み」は、和食全般に合う繊細な味わい。豆腐の卵とじに使ってみたが、濃いめのだしの味にも負けない、上品な存在感があった。なんと、今年は伊勢神宮にも奉納されたという。

それにしても、卵によって、大きさや色、甘みや旨味に、ここまで差があるとはビックリ。同社の社長で、たまごのソムリエでもある小林真作さんによれば、卵を特徴づけるのは次の5つの要素なのだという。
(1)飼い方
(2)飼料
(3)年齢(正確には“日齢”)
(4)鶏の種類
(5)サイズ(白身と黄身の比率なども含む)

「たとえば“たまごかけごはん専用たまご”は、たまごのコクがでる原種に近い鶏、それも一年未満の若鶏限定で、生食で最も濃厚に、だしや醤油と相性が良い風味になる飼料を与えます。そして、お茶碗一杯のご飯に最適のサイズのみを厳選。例えるなら大トロみたいな部分ですね」

逆にスクランブルエッグ専用となるとふわふわ感がポイントで、加熱したときに良い風味や鮮やかな色味となる千寿菊の花由来の配合飼料を食べさせたものや、やや白身の比率が多いたまごを厳選しているそうだ。

契約している農場の数は15にもおよび、どの料理にどのたまごが合うかは、おもに味、風味、外観(色味)、食感・物理特性(生での粘弾性・加熱特性など) といった観点から見極めているという。

「“すき焼き専用たまご”や“究極のたまごかけごはん専用たまご”は、生食で最も濃厚に感じやすい“粘弾性数値”が重要になってきます。たとえば、羊かんとゼリーだと、砂糖の濃度が同じであっても甘味の感じ方が大きく変わりますよね。粘度の高い羊かんの方が、ネットリとした食感でいつまでも舌の味らいに味の信号が残り、濃く感じるわけです」

さらに“すきやき専用たまご”の場合は、肉のうまみに負けない強い濃厚な風味も大切。
「たまごが繊細であっさりした風味の場合、せっかくの肉の旨みを打ち消してしまったりするので、お肉とガチンコ対決しても負けない濃厚さが必要となります」

一方、“おでん専用たまご”の場合は、ゆでたまご専用たまごの良さに加えて、味浸みの良さがポイントになる。
「すだちや鳴門金時といったこだわり食材配合飼料で育てると共に、黄身と白身の比率など最も味染みと卵本来の味のバランスが良くなるサイズを厳選しています」

なるほど。本当に1つ1つの卵がきちんとこだわって作り分けられているのだ。ただ、これだけ種類があると、いろいろ大変なのでは?
「苦労するのは数の対応ですね。あらかじめ聞いている場合は対応できるのですが、突然たくさんのご注文をいただいた場合、“1日に2個産んで!”と鶏に言うわけにいかないので(笑)」
ちなみに一番人気はやはり「究極のたまごかけごはん専用たまご」とのこと。

料理別専用たまごの他には、最近人気だという「極上焦がし香味たまご」もユニークだ。なんと、焙煎した新米のもみがらと一緒にパックに詰め、香ばしい匂いを卵につけているのだ。シンプルにたまごかけごはんとして食べたが、香りの良さと濃厚な旨味がやみつきになる。

料理別専用たまごは、すでにかなり充実のラインアップだが、これからも種類は増やしていきたいそうで、今年中にあと1種類発売予定というから楽しみ!
「たまごのおいしさは“料理になった瞬間のおいしさ”です。田舎ならではの手間のかかる飼育・選別方法から生まれたおいしい料理別たまごでワクワクする世界を楽しんでください!」と小林さん。

現在はレストランや小売店など1600以上の取引先がある他、一部の商品はオンラインショップで購入できる。価格はギフトセット18個入2000円、自宅用20個入り1880円(ギフトセットと自宅用は外装が異なる)。他に好きな4種(6個入りずつ)を選べる「選べる4種セット」3500円(価格はいずれも税込)がある。ギフトにはもちろん、これまで卵が苦手だった人にもぜひ試してほしい逸品だ。
(古屋江美子)