色々な野菜をたっぷり入れた「けんちんみそ汁」は、おかずにもなる一品。

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本格的に気温が下がりはじめ、温かい食べ物のおいしい季節がやってきた。特に冷え込む朝夕、あつあつ味噌汁がおいしい。どんな具(実)を入れても優しく包み込んでくれそうな懐深い味噌汁だが、果たして、合わない具というものはあるのだろうか。そこで、味噌を製造販売するマルコメ味噌さんにそのあたりを聞いてみた。

【味噌汁に合わない具材はない!?】


マルコメさんは味噌のエキスパート。味噌汁に合わないものもご存じのはず。しかし、伺ってみると「どんな具材にもう良く合うのが味噌汁の良いところです。合わない具材というのは聞いたことがありません」と即答。

今や日常の中にすっかりとけ込んでいる味噌だが、その伝来は遙か遠くの飛鳥時代。それを汁として味わうようになったのは鎌倉時代。それ以降、戦国時代には武将たちの栄養食として、江戸時代には庶民の味として脈々受け継がれてきた味噌汁文化。それは今も廃れることなく続いている。

長く続いた味噌汁の歴史は、さまざまな味や地域差を生み出した。トマトの味噌汁、セロリの味噌汁、ニラの味噌汁、キャベツの味噌汁。人によっては「え?」と思えるような具さえ、レシピとして存在する。好き嫌いは別として、けしてどれもこれも「合わない」わけではない。

【マルコメさんオススメの味噌汁は】


マルコメさん、今の季節おすすめの味噌汁は、
「さといもやレンコン、カボチャなど秋の食材です。特に根菜類の味噌汁は栄養もとれ、ボリュームもでるのでおすすめです」
など、季節の味を楽しめるのも味噌汁の利点だ。

なお、味噌は冷蔵庫に入れたまま時間が経つとだんだん濃くなる。これを褐変といい、大豆の熟成によって起こる現象のこと。そのまま食べてもいいが、やはり味は少々落ちる。これを防ぐにはできるだけ空気が入らないようにしっかりラップをすること、もしくは味噌の蓋下についている白い紙を捨てず、それで中蓋をすること。

さらには「味噌は冷凍も可能です」という。少し固くはなるものの、冷凍したまま使えば劣化が遅れるので一人暮らしなど、味噌をなかなか使い切れない家庭にはおすすめだ。
それでも色が濃くなった場合、味噌汁ではなくチャーハンやきんぴらなど濃い味付けの料理にするのがおすすめだという。

これからは、美味しい食材が揃う食欲の秋。食わず嫌いはおいておいて、いろいろなお味噌汁、味噌料理に挑戦してみては。
(のなかなおみ)