韓国警察庁特殊捜査課は7日、ソウル市テコンドー協会の会長らが、特定の選手に有利な判定が出るよう審判に影響力を行使したとの情報を入手し、協会の事務所2カ所と会長の自宅を家宅捜査した。複数の韓国メディアが報じた。(イメージ写真提供:(C)Pius Lee/123RF.COM)

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 韓国警察庁特殊捜査課は7日、ソウル市テコンドー協会の会長らが、特定の選手に有利な判定が出るよう審判に影響力を行使したとの情報を入手し、協会の事務所2カ所と会長の自宅を家宅捜査した。複数の韓国メディアが報じた。

 警察によると、会長らは2013年5月に行われたソウル市代表選手の選抜戦で、審判に対して特定の選手に有利な判定を出すよう要求し、勝敗に影響を与えた疑い。

 韓国では2010年にプロサッカーKリーグで現役選手らによる八百長が発覚し、同国に大きな衝撃を与えた。その後も12年にはプロバレーボールで、13年には韓国相撲「シルム」で八百長が発覚。

 韓国スポーツ界全体に不正が蔓延していることを受け、韓国文化体育観光省はスポーツ界の健全化に向けて、13年8月から12月まで2099の体育団体を対象に、2010年以降の団体運営・事業全般に対する特別監査を実施した。

 監査では組織の私物化、団体運営の不適正、審判運営の不公平、会計管理の不適正など337件の違反事例が判明した。

 同省は、韓国野球協会、韓国バトミントン協会、韓国バレーボール協会、韓国ボクシング協会など10の団体に対する捜査を検察に依頼し、告発19人、問責15人、15億5100万ウォンの返還措置、制度改善などが行われた。

 ソウル市テコンドー協会の場合、審判への影響力行使のほか、協会の役職員らが運営費を流用した疑いも浮上している。会長が親族や知人などを役職に起用したり、前会長など27人を常任顧問や名誉会長に就かせ、毎月30-400万ウォン(約2万9000円-38万8000円)を支給していたとされる。(編集担当:新川悠)(イメージ写真提供:(C)Pius Lee/123RF.COM)