6月12日早朝、宅配で読んでいる読売新聞のスポーツ面をチェックして驚いた。いや、正確に言えば「ああ、やっぱりか」の思いだった。

他紙、特に各スポーツ紙の紙面を飾った「統一球変更」問題が全く取り上げられていなかったからだ。

同紙主催の全日本大学野球が写真入りで大きく報道されているのはまあ良しとするが、この日のスポーツ界最大のニュースは「統一球」でしょ。それが全くシカトとは・・・

正確にはこの一件は報道されていた。

しかし、それは社会面。スポーツ面ではなかった。しかもちっちゃな囲みで写真なし。タイトルは「プロ野球『飛ぶボール』でした」でした。

しかも、サブタイトルで「ルールに合わせ微調整」とある。

内容は、「変更されていた」という事実を淡々と伝えているだけで、あれほど世の中を震撼(オーバーかな?)させた「隠蔽」には全く触れていない。

コミッショナーの大失策といわれている本件だが、この報道の仕方には同紙のコミッッショナーへの影響力を感じさせる。

滑稽だったのが、同紙の全柔連の会長続投に関する報道だ。

よりによって「統一球」と同じ日の同じ社会面に、カラー写真付きでデカデカと「嘉納家の威光 絶対」「会長続投 お墨付き」「責任棚上げ 怒る地方組織」という見出しが躍っていることだ。

こちらは、スキャンダル続きの全柔連にあっても、「講道館」の創始者一族である「嘉納家」の絶大な影響力のお陰で失態の連続の上村会長の座が安泰であることを厳しくジャーナリスティックに批判している。

何と言う皮肉であろう。

この全柔連に対する厳しい論調は、固有名詞だけ入れ替えればそのまま「統一球問題」に転用できそうですらある。