映画『ガリバー旅行記』(C)2010 Fox and its related entities.All rights reserved.

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 子供の頃、吾輩は意外と読書少年だった。グリム童話とか日本昔話とか、とにかく童話や児童小説大好きで、食い入るように見ていた。そして、本日4月15日公開のこの映画の原作も夢中になったものだ。

ガリバー旅行記

 ジョナサン・スウィフトによる風刺文学の傑作として名高い『ガリバー旅行記』が、舞台を現代に映したファンタジー・コメディとして蘇った! 主演はハイテンションな演技ならおまかせのジャック・ブラック。原作に描かれたエピソードでも特に有名な、“小人の国”に迷い込んだガリバーの冒険と活躍を抱腹絶倒のノリで描き出す。3D映像も見もの。

リリパット人って、めちゃくちゃ天才?

今回映画化した『ガリバー旅行記』は、本当に大胆にアレンジされている。中世ヨーロッパ時代の文明であるリリパット王国に、現代の文化をガリバーが持ち込んでいくのは非常に面白い。今までまさに王侯貴族的な感じだった国が、ガリバーのせいでネオンがギラギラ輝き、シティビジョンの映像が氾濫するニューヨークの街並みに大変貌。原作には全くないこの展開には、思わず声を出して笑ってしまう。でも、よく考えるとリリパット人って、頭が良すぎる。ガリバーが現代文化を教えたとしても、いきなりレンガの城の文化から、映像通信ができる文化へと変化させちゃうなんて、はっきり言って天才じゃない。普通構造とか理解できないでしょ。しかも自分たちの生活様式を現代風に発展させるだけではなく、“ガリバー専用”の道具まで作ってしまう。自分の何倍の大きさもあるガリバー用コーヒーメーカーをつくってしまうのはすごい。考えてみてよ。吾輩たちの感覚で言うと、都心のビルの大きさのコーヒーメーカーをつくるってことだよ。あなた、そんなことできる?

ちょwwパロディしすぎでしょwww

この映画『ガリバー旅行記』は、様々な名作のパロディが目白押し。ガリバーは、『スターウォーズ』や『タイタニック』を自分を主人公にした映画をつくり「自分の偉業が映画化された」とリリパット人に嘘を言って観せたりする。それがパロディだと知らずにリリパット人は「ガリバーすげー!」って感心するんだよね。その様子がすごくウケる。このパロディ、どんどんエスカレートしていくんだよね。最後は『アバター』ではなく『ガバター』。「タイタニックが沈没して死んでしまったガリバーが何で今ここにいるの?」と突っ込まれて、「実はガバターとして新たな生命をもらった」みたいなことを言う。本当、どんだけパロディやるんだよ。それを全て信じるリリパット人も純粋過ぎだけどさ(笑)。

いや本当、違和感ないよ

なかなか面白い映画だったなと、吾輩は何気に普通に観てしまったが、よく考えると大きいサイズと小さいサイズの人間が同じ画面上にいるのって現実感がないはず。でも、そんなことなかったんだよね。映像に合成感があまり感じられなかったし、何より会話のやりとりがスムーズ。何やら特殊なカメラを使ったおかげで映像に違和感がなくなったみたい。昔の怪獣映画のビルとか戦車を見ると、もろに「ミニチュア」って感じしたし、小さい人間が大きな怪獣やヒーローに話かけるときは本当に合成まるだしだったけど、技術の進歩ってすごいね。まあ、当時は当時で、すごい技術ではあったのだろうけどさ。

 それでは、恒例の全体評価。原作のアレンジ度は、文句なく5つ星。よくぞここまでコメディ化したなと思うぐらい。現代と中世が融合するとここまで面白いものになるんだと実感。そして、この映画は、家族で楽しめる。残虐なシーンもないし、何か温かな気持ちになるので、子供たちにもぜひ見せてあげたい。勿論、大人が見ても面白いので「家族」で楽しめる度も星4つと高評価。ただ、教訓を得て人生を変えていこうという原動力になる映画ではない。そんな堅苦しい映画ではないしね。楽な気持ちで笑って観ていられる映画である。

ヒーロー妄想のカンタの所見評価

原作アレンジ度:★★★★★

自分の人生変えちゃう度:★★

家族で楽しめる度:★★★★

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映画『ガリバー旅行記』公式サイト
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