東京電力が放射能物質を大量に含んだ汚染水を海に流していることを受け、韓国では自国に知らせなかった日本政府への非難とともに、韓国政府に対しても野党から「日本に甘く見られている」、「政府の対応が遅い」として強力な対応を求める声が強まった。

 福島原発の汚染水を海に放出する作業について、韓国では近隣国でもっとも影響を受けやすいとして懸念が高まり始めた。韓国政府は4日、「汚染水の海上投棄は国際法上の問題になる素地がある」として日本政府に検討を促した。海への汚染水放出が国際法上で問題にならないのか関連分析を急いでおり、問題が確認された場合には強く抗議する予定だ。

 野党の先進党は5日、「日本はもっとも近い韓国に事前協議はおろか、了承を求めることも通報もなかった」と指摘、「(韓国政府が)どれだけ甘くみられていたのか」、「外交ルートを全面的に稼働して日本に働きかけるべき」と強い不満を示した。

 先進党は政府の情報収集能力や対応にも批判を強めた。「政府は放射能汚染水の海上投棄について報道をみて知った」、「原発事故から1カ月になるのに政府は公式的な情報元も確保できていない」、「もっと情けないのは情報を待っている政府の姿勢」と厳しく追及した。

 韓国政府は各地の放射能数値をインターネットで公開し、日本産農水産品に加え、韓国国内の農産品に対しても放射能汚染の検査を始めた。放射能汚染への不安を払しょくすることが狙いだが、「安全」と繰り返す政府の見解と連日報じられる放射能関連報道は大きな食い違いがあり、放射能汚染への不安は高まる一方だ。(編集担当:金志秀)



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