エジプトで大規模な反政府デモが発生しているが、上海交通大学がこのほどまとめたリポートによると、中国では2010年、5日に1度の頻度で大きな騒乱事件が発生したことが分かった。苹果日報などが伝えた。

 これらの事件は全国各地で起きているが、特に河南や広東で多発しており、約半分は地元政府だけでは対応できず、上級を含む2つ以上の政府が共同で鎮圧にあたった。

 リポートは「2010年中国危機管理年度報告」。関係者によると、リポートはウェブサイト上では一部しか公開されず、印刷の参考資料として政府部門に提出された。中国当局は、エジプトなど北アフリカ情勢の動向に敏感になっており、リポートが公表されない可能性もある。

 リポートによると、中国では2010年、平均5日に1度の頻度で、民衆によるかなり大きな騒乱事件が起こった。原因としては司法や公務執行に絡むものが最も多く、国民生活、汚職反対、公務員と家族による不当な言動などがそれに続いた。

 騒乱事件は全国 29省・自治区・直轄市で起きたが、43%は地元と上級の2つ以上の政府の介入でようやく鎮圧に成功している。また、事件が外部に露見するルートは、インターネット特にミニブログが大部分を占めた。

 中国の民間学者・蒲飛指氏は、「中国では社会の危機が日々蓄積し、主に経済が発達した地域で爆発している。これらの地域では、住民がはっきりとした権利意識を持っているためだ。これに対し中国当局の危機対策は一時しのぎで、根本原因である制度上の問題を直視していない」と指摘。「複数の政府が一時的に制圧しても、最終的にはエジプトのように大規模な火山の爆発が起こるだろう」と述べた。(編集担当:松本夏穂)



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