10日のパレルモ戦で勝利を収め、セリエAの首位に立ったミラン。ライバルのインテルが勝ち点3差の4位に転落した一方で、ミランは2年ぶりにトップの位置を手にした。14日の第12節では、その両チームがダービーで対戦する。

インテルが負傷者続出に見舞われ、ベストコンディションからほど遠い状態だというだけでなく、ミランは大きな自信を持ってダービーに臨むことができるはずだ。

夏の時点では、パト、イブラヒモビッチ、ロナウジーニョ、そしてロビーニョの4人を共存させることは難しいと言われていた。誰が守備をするのか、誰が中盤を助けるのかという問題だ。そして、イブラヒモビッチのデビュー戦となった第2節のチェゼーナ戦で敗れ、チームが頻繁に間延びすることが明らかになった。

だがそれから2カ月。アッレグリ監督は一歩一歩、パレルモ戦で見せたような解決策へと近づいていった。パレルモ戦でロナウジーニョは、アメリカに行くのか、あるいは居心地は良いが自分がいなくても成り立つチームに残るのか、疑問を抱えながらベンチに座っていた。バーリ戦でミスをしたロビーニョは、終了10分前になってから投入された。

前線に並んだのは、本当に外すことのできないイブラヒモビッチと、負傷するまでプレーしたパトだった。そして彼らの後ろに位置したのがセードルフだ。さらに、負傷でピルロ(ダービーに間に合うか微妙)が欠場したことで、アッレグリ監督はボアテング、アンブロジーニ、フラミニという3人のMFを起用した。

ボアテングフィジカルと走り方を改善する必要があるが、使い続ける価値はある。アンブロジーニは中盤での守備に加え、攻撃面でも前線への飛び出しで相手に致命的な存在となっていた。フラミニも自信を取り戻してきている。さらに中盤には、パレルモ戦で出場停止だったガットゥーゾもいるのだ。

2トップの後ろにトップ下を置き、中盤に3枚のMFを起用する新たな戦術で、ミランはよりバランスを崩さなくなり、よりカウンターを食らうことがなくなった。ダービーでもこのやり方が継続されるのかは、ピルロのコンディションによるところが大きいだろう。ピルロが復帰した場合、誰を代わりに外すのか。それが、アッレグリ監督にとってこの数日のテーマになる。

だが、たくさんのゴールチャンスをつくってきたパレルモのようなチームを相手に、ミランがこのやり方で多くを許さなかったことを、アッレグリ監督も忘れてはいないはずだ。