昨シーズンのリーグ・アンを制したマルセイユ。デシャン監督を迎えた昨夏のオフは積極的に補強を行なったが、今回はこれまでFWバカリ・コネの放出(レクウィヤ=カタール)と右SBアスピリクエタ(オサスナ)の獲得以外は動きがない。

 ところが8月に入り、今シーズンの開幕まで1週間、移籍期間の終了まで1ヶ月を切ったタイミングで、ようやく動きが活発化しつつある。レキップ紙が報じた。

 まず懸案はエースストライカーのママドゥ・ニヤン。ここ数年つねに移籍が話題となってきた選手だが、昨夏はデシャン監督が主将としてチームを牽引してほしいと懇願、本人もそれに応えて初の得点王(18ゴール)に輝く奮闘を見せた。現在はトルコの名門フェネルバフチェからオファーを受けているが、ダシエ会長もデシャン監督も徹底拒否の構え。ニヤンとマルセイユの契約は2014年まで残っているうえ、月給は32万ユーロ(約3600万円)とされ、これを上回るオファーがむずかしいのもたしかだ。

 昨夏にレアル・マドリーから獲得したガブリエル・エインセにも、ここへ来て移籍の話が浮上している。同じ左SBのタイ・タイウォがアトレティコ・マドリーから受けたオファーを、デシャン監督が拒絶したためだ。センターバックとしても控えに回る可能性があり、1年後の契約満了を前に移籍を志願する可能性はある。

 これまでに放出の噂が頻繁に出たのは、MFのハテム・ベン・アルファとブノワ・シェイルー。両者とも戦力として十分計算に入る選手だが、移籍金収入がほしいクラブとしては条件さえよければ移籍を認める方針だ。ベン・アルファには、ニューカッスル、シュトゥットガルト、ヴォルフスブルク、ブレーメン、ホッフェンハイムなど関心を寄せるクラブが多い。

 デシャン監督が獲得に熱心なのは、ボルドーの守備的MFアルー・ディアラ。ボルドーが設定する移籍金は775万ユーロ(約8億8000万円)で、上記2人の移籍が決まらない限り簡単には出せない金額だ。さらにディアラの代理人は月給35万ユーロ(約4000万円)という破格の待遇を要求しているとされる。