稲本潤一が今シーズンからプレーするリーグ・アンのレンヌが、MFステファヌ・エムビア(23)の移籍でマルセイユと合意した。13日付のレキップ紙によると、契約は4年、移籍金は1200万ユーロ(約15億4000万円)。マルセイユはこれで、移籍が確実視されるロイック・サナの穴を先回りして埋めたことになる。一方のレンヌは、高額の移籍金を手にした代わりに中盤の要を失った。

 エムビアは、右の守備的MFが専門だが、昨季は左も守った。右サイドバック、センターバックとしても使え、レンヌの過去3人の監督から重宝がられた。5シーズンで131試合に出場し、7ゴール。2005年以来カメルーン代表として21試合に出場している。2008年にはアフリカ最優秀新人賞の次点だった(受賞はチェルシーのサロモン・カルー)。

 昨シーズンのレンヌの守備的MFは、ファビアン・ルモワーヌが頭角を現し、多くの試合でエムビアとコンビを組んだ。ほかにリーダー格のブルーノ・シェイルー(フランス代表キャップ3)がいるが、昨季はケガも多く23試合(うち先発15)の出場にとどまった。いまのところ稲本が直接ポジションを争う相手はこのシェイルーになりそうだが、クラブが新たな中盤の補強を画策しているのは間違いない。レキップ紙は、ガーナ出身のノルウェー代表、ローゼンボリ所属のアレクサンダー・テッティ(23)を狙っていると報じた。

 今回のエムビア放出で稲本の重要度が増すと考えられるが、まずは15日に行なわれるブレストとの練習試合でアントネッティ監督の当面の構想が明らかになる。