ベラトール=エディ・アルバレスというイメージもあったトーナメント初期。いよいよ王座獲得へ、真打がケージに登場する

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4月から全米最大のスポーツ・ケーブルネットワークESPNのスペイン語チャンネルDEPORTESで毎週土曜日に中継される12週間のプログラミングで行われてきたベラトールFCシーズン1。フェザー級からミドル級で、8人トーナメントが行われてきたが、18日(金・現地時間)、フロリダ州ハリウッドのハードロック・ライブで「ベラトール12 」が開かれ、ライト級&ミドル級で初代ベラトール世界王者が決定する。

多くの番狂わせと、いくつかの衝撃的なフィニッシュで予想以上の盛り上がり、浸透度を見せてきたベラトールFCシーズン1。ダブル世界戦と、アンダーカードに出場する16名の公開計量が18日(木)に無事終了、いよいよファイナルステージを明日に迎える。

ライト級本命エディ・アルバレスは、「試合のタイミングはバッチリ。MMAをあまり知らないファン、それほどこのスポーツを分かっていない人たちも含め、全ての視聴者にMMAが何たるかという試合を見せる。そしてベラトールの大会がエキサイティングになるよう頑張るよ」と語る。5月1日に準決勝を終え、充実のトレーニングを積んできた模様だ。

「凄く気合いが入っているし、自信もある。自分の力を高い次元で発揮できると信じている。そしてベラトールのチャンピオンになる」と言葉を続けたアルバレス。

対戦相手のトビー・イマダは、トーナメント開始前はノーマークの存在だったが、準決勝でホルヘ・マスヴィダルをスタンドの横三角で絞め落とし、その動画は世界中で視聴された。柔道、柔術がベースのイマダ。スタンドの打撃の攻防ではマスヴィダルに圧倒されたものの、アルバレスはフラッシュダウンをよく喫するグラスジョーでもある。

アルバレスが、良い試合を意識するあまりにアグレッシブになりすぎた時について回る穴を、イマダがつくことができれば決勝でもアップセットを起こすことは十分に可能だ。そんな期待を抱かせるに十分な、イマダの準決勝のフィニッシュといえるだろう。

一方のミドル級は本命と対抗が生き残っている。本命はヘクター・ロンバート、キューバのシドニー五輪柔道代表から豪州へ亡命、現在はフロリダのATTをベースとしている。

キャリア23戦20勝2敗1分、KO勝利は10を数えるロンバート。その圧倒的なフィジカルの強さを武器に、ベラトールFCミドル級トーナメントでも、ダミアン・ロザーノ&デミアン・ステーリーをパウンドで沈めてきた。

一方、セントラルオクラホマ大学出身のオールアメリカン・レスラーのジャレッド・ヒースも、ダニエル・タベラ、ヨスマニー・カベサスをテイクダウン&パウンドで下している。両者とも、ほぼ自分の思い通りの展開で勝ち抜いてきたため、ピンチらしいピンチがないまま決勝を迎えており、そのまま勢いに乗ってベルトを巻くことができるか、あるいはピンチを凌ぐ力を持っているのか。勝負に波が出てくるようだと、より一層面白い展開になるだろう。

シーズン1ファイナルに相応しいダブル世界戦のアンダーカードも、これまでの9大会以上に豪華なものとなっている。ラテン人口の高いフロリダで行われることもあり、地元からトーナメント脱落組を代表して、ホルヘ・マスヴィダル×エリック・レイノルズというライト級3位決定戦といえるカードは、ポスト新王者+シーズン2にも影響を当たるファイトとなりそうだ。

両者ともに打撃を得意としているが、その精度の高さはやはりマスヴィダルが一枚上手、ただしここ一番の勝負弱さを持っていることもあり、レイノルズのヘビーハンドが勝利を呼び込む展開も多いに考えられる。

ベラトール初参戦の注目は、何といっても2週間前のブラジリア柔術世界大会=ムンヂアルの黒帯メジオ級で同門マルセリーニョ・ガッシアに優勝を譲り、世界2位になったセルジオ・モラエスの出場だ。