私は1971年の入社ですが、当時の研修には、電話のクロスバー式交換機の組み立てもありました。このメモリ部分は、ほとんどそのころの交換機のままです」(富士通株式会社沼津工場シニアスタッフ 佐藤邦治氏)

 デモンストレーションしてもらったのは、「nの2乗」「n分の1」「ルートn」「sin-n」「cos-n」「tan-n」の6種を、n=1〜50について計算せよ、という指令である。

■周辺機器も「機械遺産」候補
 装置の前列には操作卓と、“出入力装置”類が並ぶ……といっても、もちろん、今のようなキーボードやディスプレイなどはない。入力装置にあたるのは、何やら小型のプレス機のようなもの。印のついた厚紙に、昔風の切符ばさみのオバケのような器具を使ってパンチ穴をあけたものが「プログラム」。これを金属板に挟む形で装置にセットすると、穴の部分だけ電極が接触し、読み取られるという仕組みである。

 そして、計算結果が出力されるプリンタもまた、当時の製品である。
 動力は下部にあるモーターがひとつだけ。のぞき込むと、ゆっくりとカムが回り続けている。印字も用紙送りも、同じ1つのカムから動力が伝達される。計算結果の信号が届くと、1行が同時にバシャッと印刷されて、1行分、用紙が送り出されてくる。つまり、行幅いっぱい1文字分ごとに、0から9までの活字が用意されていることになる。
 打ち出された用紙には、先の6つの計算のうち半分ずつの結果が1行になって並んでいく。例えばn=3に対応する2行は……。……≫続きはこちら

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